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化学指導のプロに聞く【後編】
単科医科大受験はここで差がつく

特別インタビュー − 専門科目から見る大学受験

スタディカルテLab

大学入試において理系生徒のほとんどが受験に利用する化学。最近では、センター試験から共通テストに変わり、出題のされ方も大きく変わりました。
記事後編では、スタディカルテLabに所属するプロの化学講師たちの対談を通して、医学部受験、特に単科医科大学受験の特徴と、その攻略方法を探ります。
最新の化学動向について知りたい方は前編もご覧ください。

→ 1つ前の記事: 化学指導のプロに聞く【前編】 最新の入試動向

深い理解が問われる単科医科大学入試

— 医学部受験と一口にいっても、様々な大学があると思います。特に難しいといわれる単科医科大学の傾向について教えてください。

河原田

医学部の中でも単科医科大学は問題のレベルが全体的にかなり高く、暗記では対応できない入試が多いですね。例えば京都府立医科大学では、かなりの長文を読み、その場で考えを整理しながら解かなくてはいけない問題も出されています。まず長文の問題に慣れること、そして高校教科書にとらわれることなく化学の理論を適用し、表面的でない深い理解をすることが必要です。

中谷

京府医は、東大・京大などと同じレベルに該当しますよね。高校化学の内容は分かっていることが大前提で、その上で初めて見る問題にどう取り組んでいくか、文章中の情報をどう活かしていくかという高校化学の枠を超えた力が必要だと思います。

関西の単科医科大学の中では、京府医だけレベルがぶっちぎっていますよね。和歌山県立医科大学などとは比較できないほど難しいです。化学は東大より難しい問題もあるんじゃないでしょうか(笑)。

河原田

わかります(笑)。とはいえ、一時期に比べると落ち着いた問題が多くなっている印象ですね。問題自体も手が出ないほどではなくなっているかな、と。

— 京都府立医科大学の問題には、具体的にどういう姿勢で取り組めば良いのでしょう?

河原田

問題の難しさに引っ張られるのではなく、がっしりと腰を落ち着け、逃げずに基礎から標準、そして難易度の高い問題群に丁寧に取り組んでいくことが大事だと思います。

中谷

無理に近道を求めず、地道な積み重ねに妥協しないということですね。

河原田

ええ。問題量が多いので、入試問題を時間内で全部ちゃんと解ける受験生は少ないです。化学に関しては5割が合格ラインかな。確かに高度なレベルは必要ですが、仮に難易度の高い問題全てが解けなくても標準的な問題を完璧に取れば合格点をとることは可能です。

山﨑

そのためには、完答すべき問題を正確に解ききる力も重要になってきますよね。

河原田

仰る通りだと思います。適当に答えを合わせたり何となく問題集を解いているだけでは太刀打ちできません。学問に王道なしと言いますが、まさにその通りの勉強をすることが求められている大学ではないかと感じます。

さすが河原田先生!分析力がすごいですね!

柔軟な理解力・思考力・判断力が難関大受験のカギを握る

— レベルの高い単科医科大学を攻略するには、どのような力が必要でしょうか?

河原田

先ほども話題に上がったように、単科医科大学は問題量が多い傾向にあるため、かなり速い解答スピードが必要です。あとは、理由やポイントなどの細かい部分まで、どの方向からでも答えることのできる柔軟な理解力・思考力を養うことが大事だと思います。

中谷

河原田先生の仰る通りだと思います。高校化学の内容を理解していることは大前提で、その上で初めて見る問題にどう取り組むか、自分で情報処理をしてどう解答に結び付けていくか、という高校化学の枠を超えた力が求められます。いわゆる”柔軟性”ですね。そうなってくると、正直、パターンを知っているだけでは厳しいです。東大京大同様、解ける問題を自分で選んで、答えまで出せる子たちが合格している印象ですね。

そうですよね難関大の入試では取捨選択能力も問われるので、「これは”捨て”やろ!」という自己判断も大事だと思います。

中谷

はい。進学校に通う生徒の中には、日々の中で ”柔軟性” を求められ、取り組んできた経験がある程度あって、こちらから指導する必要のない場合もあります。でもほとんどの子たちはそうではないので、柔軟に考える力を付けるために、普段から誰かがサポートしていかないと難しいのかなと感じます。

山﨑

私たち講師は、場合によっては教科書に載っていないことにも触れながら、柔軟に考えさせるような姿勢を指導していかないといけませんね…!

河原田

確かに。僕たちにとってはそこが腕の見せどころですもんね。

— 先生方が指導で実践されている対策はありますか?

山﨑

先ほどおすすめの教材の話でも取り上げましたが(※前編記事参照)、京府医のような難関大を目指す生徒さんには、三省堂の「化学の新演習」を使っています。

新演習の内容が一通り解けるようになっておけば、難関大の入試問題でも半分は見たことがある問題になると思います。難関大志望の生徒さんには、まず新演習の問題をしっかり根拠立てて解答できるようになってもらって、そこから過去問を使った演習などで柔軟性を鍛えていく感じかな。

単元別では理論に比べて有機の方が手を付けやすい印象なので、まずは新演習がある程度解けるようになってから、さらに構造決定などの有機化学を強化して失点を最小限に抑えるイメージですね。

河原田

有機化学の方が点を取りやすいのは同感です。

僕は分野にかかわらず理論をきっちり教えることを特に心がけています。他の問題にも通用するように、知識だけではなく問題を見る姿勢の部分を重点的に話しますね。厳しいですが、見切る問題を自分で判断できるレベルまで行かないと京府医のような難関大医学部は難しいと思います。なので、京府医を志望するレベルの生徒さんには「この問題は難しすぎるから解かずに捨てよう!」というように、こちらから指示することは控えています。

中谷

難関の単科医科大では柔軟性が問われるので、「この範囲をこうやれば良い」「この問題は捨てた方が良い」というようなピンポイントの指導は難しいですよね。

河原田

判断力や柔軟性を身に付けるのは、自力では厳しい部分ですよね。差が付くところだと思います。僕たちも気を抜かずに指導していかないといけませんね!

— 皆さん本日はありがとうございました!

河原田 篤  講師

中谷 浩明  講師

山﨑 一星  講師

濱 祥平  講師

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