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東大理Ⅲ生が大手予備校で感じたメリット・デメリットと、自学自習で大切にしていたこと

特別インタビュー − 理想的な受験勉強の仕方を探る

スタディカルテLab

この10年で、動画教材、YouTube、市販教材など、良質な教育サービスが簡単に受けられるようになりました。それらをうまく活用することで、安い学費で学力を伸ばしている受験生も増えてきています。その一方で、大手予備校で素晴らしい講師の授業を受けているにも関わらず、残念ながら空回りしてしまっている受験生もいます。その違いは自学自習の仕方にありました。

難関大学合格者の勉強時間のうち、約70%を占めると言われている “自学自習”。
実際に難関大に合格している人は、どのようなことを意識しながら自学自習をしてきたのでしょうか?

今回の対談では、スタディカルテLabの学習プランナーである樋口が、東京大学理科Ⅲ類に合格したSさんに当時のリアルな受験勉強をお聞きしながら、理想的な自学自習のあり方を探ります。

1浪して東大理Ⅲへ  予備校の勉強で気をつけていたこと

樋口

よろしくお願いします。
早速ですが、Sさんはいつ頃から受験勉強を始めましたか?

Sさん

高校3年生の5月からです。ずっと部活のサッカーに夢中で、気づいたらすっかり出遅れていました。それから受験勉強を始めたのですが、さすがにスタートが遅すぎたんでしょうね。結局浪人することになりました。

樋口

そうなんですね。現役の時も理科Ⅲ類を受験したんですか?

Sさん

はい。現役の時に受けたのは東大理Ⅲのみで、手応え的には五分五分かなと思っていたのですが、ふたを開けてみると不合格。そこで、もう1年勉強して再チャレンジすることにしたんです。

東京大学 理科三類 1年生 Sさん

樋口

そのスタートで五分五分だったんですね!すごいですね。浪人するにあたり、予備校はどうやって選びましたか?

Sさん

周囲の人から「理Ⅲを狙うならここがいいよ」と勧められ、御茶ノ水にある駿台予備校を選びました。

樋口

確かに駿台は、実績もありますし、テキストも講師も充実していますよね。優秀な受験生にとっては良い選択肢の1つだと思います。
でも、駿台の授業を受けているだけで理Ⅲに合格したんでしょうか? Sさんが授業以外の学習時間で気をつけていたことを教えてもらいたいです。

Sさん

そうですね……個人的には、上手く駿台の授業を活用しながら「主体的に必要な自学自習を見極めて、自分で計画を立てて取り組んだこと」が合格の鍵だと思っています。

駿台は気に入っていましたし、集団授業だと仕方のないことだと思いますが、予習の時点で十分理解できている内容でも授業を受けないといけないし、疑問点があっても講師控え室で並んで限られた時間で質問しないといけない。また、駿台のテキストは全体を満遍なく網羅しているのですが、当たり前ですが自分専用に作られたものではありません。なので、合格するためには自分には何が必要か?を考えながら勉強をしていました。

樋口

そうだったんですね。私はこれまでたくさんの生徒を担当してきましたが、本当に優秀な受験生は “自学自習の仕方” に共通点があるように感じています。本当に必要な勉強を、自分の頭で考えている印象です。

Sさんが自学自習で心がけていたことをもう少し詳しく教えてもらえますか?

Sさん

はい。具体的に言うと、ぼくは数学があまり得意ではなかったんです。東大レベルの入試問題を解くにあたり、その問題を解くにはどういうアプローチがあるのか、その中でどのアプローチを選べばいいかということがすぐに判断できなくて。そこで、その弱点を補うために自分に合った教材を探して、できるまで何度も解き直していました。特に「入試数学の掌握」は、難しい問題の解法を切り崩す方法について実践的に解説していて、とてもよかったです。

樋口

「入試数学の掌握」を使っていたんですね!鉄緑会の先生が執筆された、受験界隈で定評のある参考書ですよね。あの教材をお薦めできる生徒は限られてきますが、私も気に入っている教材の1つです。

ただ、その教材をやれば誰でも理Ⅲに合格できるのかというと、そういうわけではなくて。Sさんのように、志望校に合格するために何が足りないのか、その改善に必要な学習は何なのか、その学習をやりきれるか、そういったことを自分の頭で考えて教材を活用できる受験生が強いのだと思います。

Sさん

そうかもしれません。学校の授業も予備校も、みんな同じテキストを使って同じ勉強をしています。もちろん全体を網羅したテキストは重要で、ぼくはそれを、自分が理解できている箇所を再確認する目的で使っていたのですが、もしかするとテキストの内容をただそのまま学習するだけの人が多いのかもしれませんね。伸び悩みの原因を1番気付けるのは自分自身なのに、その自己分析ができていない人が多い気がします。

「弱点を補うために自分に合った教材を探して、できるまで何度も解き直していました」(Sさん)

樋口

そうですよね、とても共感します。受け身の姿勢でまわりと同じ勉強をしても、まわりと同じような成果しか出ないんですよね。

やるべきことは人それぞれ違います。時間は有限だからこそ、優先順位を決めて本当に必要な学習をする。これが自力でできるようになると、学習効率が全然変わってくるんですよね。

Sさんのように自学自習が上手くできている受験生には共通点があって、
① 現時点での学力を正しく把握している
② 最終的にどんな学力が必要なのかの解像度が高い
③ 適切な教材と方法で理解と定着を積み重ねている

この3点がポイントだと思います。

Sさん

この3点については、ぼくは無意識に満たしていたかもしれません。試行錯誤しながら自分で取り組んでいました。樋口さんがおっしゃっていることはとても重要だと思います。

具体的に “自学自習” を改善するには?

樋口

でも、これって、今まで意識してこなかった受験生が、1人で考えるのは難しいんですよね…。受験生が自学自習を改善して学習効率を高めるために、Sさんが大事だと思う具体的な行動を教えてもらっても良いでしょうか?

Sさん

分かりました。1つ目は、過去問研究はとても大事だと思います

ぼくが受験生だった時は、過去問を見て自分なりにどんな問題が出題されているかを調べました。過去問分析を通して、自分のできていないことや、やるべき勉強が見えてくるように思います。現時点で全然解ける気がしない場合は、まずはどの単元からどんな風に出題されているか、ということから調べてみると良いかな、と思います。

樋口

基礎学力がついていない段階でも、様々な予備校や塾が分析をまとめてくれているので、参考にしながら傾向を掴んでおくのは大切ですね。また、ある程度の基礎学力がついた状態で、入試の半年前くらいには本番を想定して実際に解いてみることが大事だと思います。問題自体は難しくなくても、制限時間や目標得点率によって難易度は全然変わってきます。単純に解くだけでは効果は半減するので、本番を想定した過去問演習と、丁寧な自己分析が必要だと思います。

模試の結果で一喜一憂したり、直前期まで過去問を全く見ていない、という受験生をたまに見るので、過去問研究についてはよく生徒にアドバイスしています。

Sさん

そうなんですね。
2つ目は、志望校の傾向を熟知している信頼できる先生のアドバイスを聞くことだと思います。インターネットで検索すれば色々な情報が出てきますが、その情報は玉石混合で見極めが大変なので。ぼくの場合もある程度は自分で考えつつ、相談できる人がいたので参考になりました。

樋口

相談相手は必要ですよね。ただ、アドバイスを受ける際に気をつけてもらいたいのは、例えば塾や講師に合格実績があっても、その相談相手が本当に信頼できる人なのか?を見極めないといけません

というのも、その塾や講師がどうであれ、最初から合格安全圏にいるような生徒を担当していれば、勝手に生徒は合格して実績になるからです。自分の生徒にも、センター試験を30分くらいで満点取ったり、全国模試で1位になったりするような生徒がいましたが、多分そんな生徒は私が担当していなくても志望校に合格してくれていた可能性が高いし、貢献度としては大きくないと思うんです。

Sさん

なるほど(笑)
ちなみに、相談相手を信頼できるかどうかは、どう判断すれば良いと思いますか?

樋口

それは「合格が難しかった生徒を実際に合格に導いた実績があり、納得のいくロジックに基づいてエピソードを語れるか?」が1つの目安だと思います。大事なのは一次情報ではなく、具体的な学習計画だったり、生徒の学習状況に応じた授業や自学自習だったり、志望校の合格点を取るための受験戦略なので。

SNSやYouTubeで人気のアカウントも、何でもかんでもそのまま鵜呑みにするのは危険です。もちろん良い発信もたくさんありますが、たまに「明らかに間違っている情報 / 誤解されやすい情報」も混ざっているように感じます。情報が安易に発信できる時代だからこそ、情報を受け取る側は取捨選択がとても大事だと思います。

「塾や講師に合格実績があっても、その相談相手が本当に信頼できる人なのか?を見極めないといけません」(樋口)

Sさん

集団授業を受ける時と同様、受け身の姿勢ではなく自分に必要なものを考えながら情報を受け取る必要があるということですね。
ちなみに、樋口さんは自学自習でどんなことを大事にしてもらいたいですか?

樋口

そうですね…先ほどのSさんのお話と近い意見ですが、信頼できる人にきちんと現状を理解してもらった上で、納得いくまでアドバイスを受け、最終的には自分で取捨選択し、きちんと実践することが大事じゃないかなと思います。イメージは、医療における「かかりつけ医」ですね。スタディカルテLabではそういう関係性を追求しています。

スタディカルテLabの塾生でなくても、学校の先生だったり、予備校のチューターだったり、そういう相談相手がいると良いと思います。

Sさん

スタディカルテLabは受験においての「かかりつけ医」なんですね。いいですね。
今回の対談を通して、改めて自分の受験当時を振り返って気づくことも色々あり、勉強になりました。貴重な体験になりましたし、とても興味深かったです。ありがとうございました!

樋口

Sさんとお話した内容を、受験生に参考にしてもらうことで、日々の勉強の仕方を変えるきっかけにしてもらえれば嬉しいですね。お時間ありがとうございました。

まとめ

予備校などの集団授業で伸び悩む生徒は何が原因か?

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志望校合格に “本当に必要な学習” を曖昧にしたまま勉強していることが原因。本当に必要な勉強が分かるのは自分自身。

対策①:過去問を分析する

対策②:信頼できる人にきちんと相談する

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