こんにちは、スタディカルテLabで学習プランナーを担当している樋口です。2023年の共通テスト、お疲れ様でした。3年目ということもありまだ難易度が不安定で、数学は従来の難易度に戻ったものの、生物選択者にとって非常に厳しい試験だったと思います。不安でいっぱいだったり、気になることもたくさんあると思いますが、次に控えているのは、国公立の二次試験と私立大学の一般入試です。今から変えていけることに意識を集中させていきましょう。今回の記事は、共通テストの結果を踏まえて、入試までの1ヶ月をどのように過ごせば良いか?をまとめたものです。実際には生徒によって受験戦略は様々ですが、そのエッセンスを公開します。少し長いですが、きちんと読んで実践してもらえれば、自分のやるべきことが見えてくるのではないかと思います。スタディカルテLabでは、受験戦略(=大学入試で合格点を取るための学習計画)を、次の4つのSTEPに分けてお伝えしています。STEP1:過去問の全体分析これから皆さんは、共通テストリサーチの結果と入試動向を見ながら、自分がどの大学に出願するかを決定します。その際、過去問をきちんと分析した上で出願校を決定してください。「ある程度志望校は決めていたものの、共通テストに集中していたからきちんとした分析はできていない……」という人は、早急に検討している大学の傾向分析をおこないましょう。大学の傾向分析をおこなう上で、最低限押さえておきたいのは次の3項目です。配点比率、合格最低点、募集定員からどのようなことを読み取るべきなのか。順を追って説明します。① 配点比率配点比率は、二次試験の比率が高いほど逆転しやすくなり、低いほど共通テストの得点差を覆しにくくなるため逆転しにくくなります。基本的に、二次試験の配点比率が高い大学は、実力差が反映される大学が多い傾向にあります。出題傾向に基づいた対策が立てられていて、他の受験生と差がつくレベルまで得点できれば、共通テストリサーチの結果が悪くても二次試験で逆転する余地はあるかと思います。また、大学によって科目ごとの比率も異なりますので、得意科目がはっきりしている場合は自分に有利な配点比率の大学を探すのもいいでしょう。共通テストリサーチやバンザイシステムを利用すると「その学校を志望している受験生のうち、自分がどのあたりの位置にいるのか」と合格可能性の目安がわかりますので、そちらも参考にして考えてみてください。② 合格最低点各大学の合格最低点も確認してください。これは、その大学がどんな出題傾向なのかを大まかに知るために役立つからです。合格最低点が高い場合は「応用問題は出題されにくいが、代わりにミスが致命傷になる」高得点争いの大学ですし、合格最低点が低い場合は「応用問題が出題されやすく、どれだけ特化した対策を立てて演習したか」が重要になる大学です。(時間内に問題が解き切れないほど多い場合など、例外もあります。)自分が「応用問題で部分点を取る方が得意」なのか、それとも「基礎的な問題をミスなく解く方が得意」なのかを考えて出願する大学を選びましょう。③ 募集定員募集定員が多いと受験者が増えた時の影響が小さくなり、定員が少ないと受験者数が増えた時の影響が大きくなります。受験者数は、各大学の配点比率とその年の問題の難易度などによって変化します。例えば、2023年度は、生物・化学を選択している受験生の大多数が思うように点数が取れていません。この結果が受験者動向にも影響する可能性が高いです。特に、「定員が少なく生物受験が多い学部」の動向には注意が必要です。①配点比率、②合格最低点、③募集定員……もちろんその他にも考慮するべきことはたくさんありますが、まずはこれら3つを押さえれば、大学で求められている学力の全体像がざっくり掴めるはずです。志望校を決める時の参考にしてください。STEP2:過去問の教科別分析過去問の全体分析ができたら、次は要素に分解していきます。具体的には、教科ごとに「実際にどの部分で逆転できるだけの点数が取れるか?」を考えていきましょう。こちらは、以下の3つがポイントです。① 合計目標点の計算まずは、「二次試験での目標点」を考えてみましょう。そのためには、「総合目標点」と「大学別の配点に換算した共通テストの点数」の2つを計算する必要があります。「総合目標点」は、変動が激しい大学もあるので昨年の合格最低点だけで判断してはいけません。直近数ヶ年の合格最低点を上回るようにし、合格平均点も参考にしながら決定しましょう。「大学別の配点に換算した共通テストの点数」は、大学によって傾斜が様々です。例えば、香川大学(医)では共通テストの英数の配点が1/2になりますし、奈良県立医科大(医)では共通テストの国語の配点が最終的に1/4になります。募集要項を見ながら、正確に算出してみてください。「総合目標点」から「大学別の配点に換算した共通テストの点数」を引くと、「二次試験での目標点」を算出することができます。例えば「昨年の総合合格最低点が680点」で、「自分の共通テストの点数を大学ごとの配点に換算すると360点になる」のなら、680点-360点=320点が二次試験における合計目標点数の最低ラインになります。② 過去問を1年分解いてみる年内に過去問分析をすでにある程度仕上げている状態が理想ですが、予定していなかった大学に出願する人や、共通テストにいっぱいいっぱいで過去問まで手が回らなかった人もいるでしょう。もし、過去問をまだ解いていない場合は、まずは1年分でいいので、早急に過去問を解いてみてください。試験時間をきっちり守って、現時点でどれくらい得点できるのかを把握しましょう。(なお、国公立の二次試験は記述式で自己採点が難しいため、可能であれば信頼できる先生に採点してもらうのがおすすめです。)このとき、過去問を解いた後に、下記のポイントに沿って分析することを意識してみてください。これらの分析こそが「過去問を解く価値」であり、この分析をしないと効果が半減します。過去問分析を通して、本番でどれだけ具体的なイメージを持てるか、合格するために必要な勉強が分かるかが大事になってきます。③ 伸びしろのリストアップ過去問を解いた結果を参考にしながら、教科別に目標点を設定していきましょう。①で算出した目標点を、教科別に分配していきます。その点数と②で実際に解いた時の得点との差分が、受験までに得点すべき点数です。過去問の問題と比較しながら、具体的にどこを伸ばしやすいか?をリストアップしていきます。例えば、英語の点数が現時点で100点/150点→目標点120点/150点の場合、「20点分をどこで伸ばすか」が問題になります。過去問で自分が解けていなかった部分、点数を伸ばせそうな部分を洗い出しましょう。・テーマ別の英作文で大きく失点している・会話文の語句整序に不慣れというように、伸びしろを見つけていくイメージです。このように志望校の出題傾向と目標点から逆算し、要素に分解して学習計画を立てていくというプロセスによって、合格までにやるべきことの解像度は大きく変わってきます。STEP3、STEP4:計画作成と実行今回の記事では、4つのSTEPのうち、前半の2STEPを紹介しました。志望校に合格するため、自分がどの伸びしろに注目すればいいか明確にできたでしょうか。後半の記事では、残り2つのSTEPについて解説します。伸びしろから具体的にタスクを設定するコツ、計画実行時の過去問の活用方法など、今回の記事で特定した「伸びしろ」を具体的にどう克服していけば良いのかを解説します。後半の記事は、スタディカルテIntelligenceのLINEで配信しています。興味のある方は、スタディカルテIntelligenceのLINEに登録し、「計画作成と実行」とメッセージをお送りください。国公立二次試験の受験を予定している受験生へスタディカルテLabでは、記事には書ききれない詳細情報に基づいて、専門の学習プランナーが大学受験に関する各種情報をお伝えし、受験戦略を設計しています。現在、スタディカルテLabでは【無料学習相談(30分)】を受付中です。少しでも受験生のお役に立てれば幸いです。悔いのないラストスパートを過ごせるよう、応援しています!無料学習相談(30分)毎週先着5名相談をご希望の方は、スタディカルテLabのLINEに登録し、相談したい内容をメッセージでお送りください。