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【私立医学部】杏林大学医学部の入試傾向と対策を徹底解説 —英語は医学系英文と文法問題が特徴。理科は考察問題、数学は難しめのテーマの対策で差がつく。

ハイレベルな受験生が集まる私立医学部の受験。その中でも「杏林大学 医学部に特化した対策」にはどのようにして取り組んでいけばいいのでしょうか?

この記事は、スタディカルテLabの教務チームが、杏林大学 医学部の入試問題から読み取れる出題傾向を分析したものです。杏林大学 医学部の入試傾向が、他の医学部とどのような違いがあるのかを理解し、現時点の学力から精度の高い対策を進めていくための参考にしてみてください。

杏林大学 医学部

種別

私立大学

地域

関東エリア

学費

〜4,000万円

再受験寛容度

普通

男女比率

男5:女5

※ 再受験寛容度:近年の入学者の統計データから、22歳以上の受験生の合格率に基づいて分類しています。
※ 男女比率:近年の入学者の統計データの男女比に基づいて分類しています。

杏林大学 医学部医学科の基本情報

杏林大学 医学部医学科 キャンパス情報

杏林大学は、東京都にある日本の私立大学です。医学部のほか、保健学部、総合政策学部、外国語学部が設置されている総合大学です。主に「杏林」と略称されます。東京都三鷹市新川6-20-2に本部を置き、JR中央線三鷹駅から小田急バスで20分ほどの立地です。

2022年には医学部講義棟が完成し、充実した学習環境が整っています。三鷹キャンパスに隣接する杏林大学医学部付属病院は、高度医療の提供・技術開発・研修を担う特定機能病院です。東京23区外唯一の大学病院として、東京西部地区の医療機関の中核的役割を担っており、ドクターヘリを用いた救急医療や最新の医療設備が充実しています。また、2024年には杏林大学の新しい付属病院として、東京都杉並区に杏林大学医学部付属杉並病院も開院しました。

カリキュラム面ではPBLチュートリアルという「課題基盤型学習」が取り入れられているほか、1〜3年生での早期体験教育で医療現場を少人数グループで体験できたり、自由参加プログラムで研究や学会に参加することができたりと、学生同士が相互に学び合いながら医師としてのキャリアを考える機会が整っています。また、グローバルに活躍する医師の育成にも力を入れており、海外での研修や留学支援制度が充実しています。

杏林大学 医学部医学科 全体概要

杏林大学 医学部医学科 一般選抜
配点は年度によって変更されている可能性があります。必ず最新の募集要項で確認してください。
  • 理科比率:150/350 42.9%

  • 合格最低点:非公開

  • 再受験寛容度:普通

  • 面接:配点非公表 / 個人面接(10分〜15分)

  • 小論文:試験時間60分 / 配点不明 / 60分800字(2023年度)

  • 学費:37,740,700円(2026年度 / 6年間の総額)

杏林大学では、一般選抜、東京都地域枠選抜、新潟県地域枠選抜、群馬県地域枠選抜、共通テスト利用選抜などの入試方式が設けられています。群馬県地域枠は2025年度から新しく実施されています。
共通テスト利用では、数学(1A2BC)200点、理科2科目200点、国語あるいは英語(選択可能)200点の合計600点で合否が決まります。共通テスト利用で国語を選択する場合、近代以降の文章のみの得点が利用されます。併願校次第では狙いやすい大学なので、共通テスト利用で受験する際の参考にしてみてください。

なお、2025年度一般選抜は志願者2,337名・受験者2,240名・正規合格者247名(志願倍率約22.9倍)。共通テスト利用は志願倍率約61.1倍と非常に高倍率なのも特徴です。合格最低点は非公表ですが、合格ラインは高いと考えておきましょう。

本記事では募集人員が多い一般選抜についてご紹介します。

杏林大学医学部医学科の一般選抜Aでは、1次試験で数学、英語、理科が課されます。配点は数学と英語が100点、理科2科目で150点です。

2次試験では、60分の小論文と10〜15分程度の個人面接が実施され、総合点で合否の判定がされます。小論文は800字程度の論述が課され、過去には「人を評価する」「流行を追う」といった抽象的なテーマが出題されています。

問題全体の難易度としては、入試標準レベルの出題が多い傾向にあります。対策次第では高得点を目指すことも可能といえる内容です。過去問を使ってしっかりと対策をおこないましょう。

杏林大学 医学部医学科 教科別分析

※ 以下の教科別分析に記載している目標得点率は、問題の難易度等からスタディカルテLabで予想した数値です。合格最低点が大学側から公表されていないため、記載の数値はあくまで予測値であることをご理解の上、ご参考ください。

数学

英語

物理

化学

生物

問題の難易度

標問と難問の混合型

標問と難問の混合型

標問と難問の混合型

標問と難問の混合型

標問と難問の混合型

目標得点率

60〜70%

60〜80%

60〜80%

70〜80%

70〜80%

試験時間

短い

普通

短い

短い

短い

その他

全問マーク式。誘導が丁寧に書かれているので、流れに乗って解けるかどうかが重要。数3の微積分の問題と、空間図形に関する問題が頻出。試験時間が短く、問題の取捨選択が必要

全問マーク式。文法・語彙の4択、整序問題は高得点を狙いたい。大問3の文整序問題は特化した対策を。読解は300〜500語程度だが語彙レベル高め。医学・自然科学系の読解対策を

全問マーク式。力学、電磁気、熱力学、波動、原子からまんべんなく出題。高度な考察問題や、計算に時間がかかる問題が出題されるため、取捨選択が必須

全問マーク式。複数の分野にわたる総合問題がよく出題される。知識で解ける標準的な問題をスピーディーに解答し、試験時間内に目標得点をクリアできるよう時間戦略を

全問マーク式。全範囲から出題されており、用語などの知識問題は基本〜標準レベルの問題が多い。図表を読み取る実験考察問題など、思考力が問われる問題で差がつく

杏林大学 医学部医学科【数学】の傾向と対策

◆ 他学部との比較:医学部固有問題
ここ数年は大問3題構成です。試験時間は70分で、全問マーク式です。1つの大問が細かい小問に分かれていて、答えのみをマークする形式です。数値問題だけでなく、グラフの概形を答える選択問題なども出題されています。

◆ 問題難易度:標問と難問の混合型
標準的な難易度の問題が中心ですが、類題経験がないと解きにくいテーマからの出題も目立ちます。難しい問題や計算が重たい問題も含まれていて、大問の後半に進むにつれて難易度が上がっていく傾向にあります。試験時間が限られているため、どこまで解くべきかの判断に迷いやすいでしょう。素早く条件を整理し、誘導に乗って解くことに慣れておきましょう。
図形に関する問題が多いことも特徴で、グラフや図などを描いて適切な解法選択をすると素早く解ける問題もあり、過去問や類似問題での演習と解法研究で差がつきます。試験時間を意識した過去問演習に取り組んでおきましょう。
2026年度は難化し、差がつきやすいテーマが出題されています。媒介変数表示・楕円に関する出題、整数問題の3進法に関する出題、極方程式など、類題経験がないと解きにくく、計算量も多い内容でした。

◆ 目標得点率:60〜70%
年度によって難易度が変動しやすい科目ですが、合格のためには60%以上の得点率が目安となるでしょう。試験時間が短く、問題によって難易度にばらつきがあります。状況を見極め、得点できる問題をしっかり取ることを心掛けてください。2026年度は難化した影響で、50%を超えた受験生が例年よりも少ないと予想されます。

◆ 試験時間:短い
試験時間は非常に短いです。大問3題構成の場合は1題あたり15〜20分を目安に解き進め、まずはすべての大問をひととおり解いてから、残りの時間で得点できそうな問題に再挑戦してみてください。

◆ 取捨選択:必要
目標得点率をクリアするには取捨選択が必要ですが、一見すると解きやすそうな問題でも完答が困難な場合もあり、判断が難しいです。取れる問題で確実に得点するために、過去問を用いて時間内に目標点を取得する時間配分のイメージを掴みましょう。

◆ 頻出分野:微積分、ベクトル、式と曲線、図形と方程式、複素数平面、整数の性質、数列
図形的な考察が必要となる問題が多く出題されます。数3の微積分、式と曲線、図形と方程式、ベクトル、複素数平面などは、やや難しい問題まで重点的に問題演習をしておきましょう。空間図形や極方程式などにも注意が必要です。
年度によっては、場合の数と確率、整数の性質、数列からも1題ほど出題されています。注意しておきましょう。

杏林大学 医学部医学科【英語】の傾向と対策

◆ 他学部との比較:医学部固有問題
例年大問4題構成です。試験時間は60分で、全問マーク式です。2020年度以降は現在の出題傾向が続いていますが、2019年度以前は誤文訂正問題なども出題されていました。

◆ 問題難易度:標問と難問の混合型
入試標準レベルの問題が多く、実力差が出やすい内容です。
大問1が文法・語彙の4択問題、大問2が語句整序問題です。どちらも標準的な難易度の問題が中心なので、高得点を取れるように対策をしておきましょう。
大問3は文整序問題が出題されています。接続詞や代名詞に注目して、自然な順番になるよう選択肢を並び替える問題です。差がつきやすいので、過去問をはじめ、センター試験や東海大学の過去問など類似の問題を解いて対策をおこないましょう。
大問4は主に医学系・自然科学系テーマの読解問題が2題出題されており、どちらも300〜500語程度のボリュームです。ここ数年でやや解きやすくなりましたが、難易度の高い語彙にも対応できるようにしておきましょう。英問英答式で、内容説明問題や内容一致問題などが出題されています。全体の文脈を理解をしていないと解けない問題や、判断に迷う選択肢が含まれていることに注意が必要です。
2025年度までと比較して、2026年度の難易度は上がっています。文法問題で細かな知識が問われたり、会話文も内容で差がつく印象です。読みにくいと感じる受験生が多いでしょう。

◆ 目標得点率:60〜80%
2026年度のような難化した年度でなければ、合格のためには70%以上の得点率を目指しましょう。英語が得意な受験生の場合、文法・語彙の出題形式に特化したトレーニングと、医学系テーマの英文の語彙力・精読力があれば、80%以上の得点も目指せるでしょう。差がつく会話表現にも注意しておきましょう。

◆ 試験時間:普通
試験時間が60分で大問4題ではありますが、最近の難易度を考慮すると試験時間は適切です。大問1〜2を10分以内、大問3を10〜15分、大問4で35分を目安に解き進めましょう。大問3に多くの時間を費やしてしまう可能性があるので注意しましょう。

◆ 取捨選択:不要
目標得点率を考えると取捨選択は不要です。まんべんなくすべての問題に取り組みましょう。時間配分を意識して取り組み、選択問題で判断に迷う問題は、時間をかけすぎないように一旦マークして次に進んでください。

◆ 医学部固有テーマ:多い
医学系・自然科学系テーマからの出題が中心です。大問4の長文問題では、医療に関する内容が多く出題されています。文章量は多くないので、過去問などで短めの医療系テーマの長文に慣れておきましょう。

杏林大学 医学部医学科【物理】の傾向と対策

◆ 他学部との比較:医学部固有問題
2024年度までは大問4題構成でしたが、2025年度以降は大問3題構成になっています。試験時間は理科2科目で100分であり、1科目あたり50分を目安に解答することになります。全問マーク式です。

◆ 問題難易度:標問と難問の混合型
基本〜標準レベルの問題が中心ですが、一部に、難易度の高い問題や計算量が多い問題も見られます。また、問題量に対して試験時間が短く、計算力・情報処理力で差がつく内容です。どの分野でも計算問題が出題されているので、素早く正確に計算できるようトレーニングを重ねておきましょう。グラフ選択問題もよく出題されています。
前半の大問は小問集合が出題されやすく、力学、電磁気、熱力学、波動、原子からまんべんなく出題され、数値計算に時間がかかる問題も含まれています。時間がかかる問題は飛ばして、全体的に解答することを目指しましょう。2025年度は小問集合がありませんでしたが、2026年度は大問1で出題されています。
後半の大問ではテーマ別の問題が出題されています。多くの年度では力学と電磁気が出題されていますが、2022年度は大問4で原子が出題されました。

◆ 目標得点率:60〜80%
医学部合格のためには65%以上をクリアしたいところです。試験時間は厳しいですが、物理が得意な受験生であればスピーディーに解き進めることで75%を目指すと良いでしょう。

◆ 試験時間:短い
問題数が多く、試験時間は短いと感じる受験生が多いでしょう。大問によって問題量・難易度に差があります。その見極めをしながら、解ける問題は素早く解答することを意識しましょう。

◆ 取捨選択必要
一部に、やや難しい考察問題や、計算に時間がかかる問題が出題されています。試験時間内に目標得点を取るには、解ける問題を確実に解き、難問はスキップすることも考えておく必要があります。取捨選択ができるように、過去問演習時には状況判断の練習をしておきましょう。

◆ 頻出分野:力学、電磁気、熱力学、波動、原子
年度によって一部範囲が出題されない場合もありますが、基本的に全範囲から1題ずつ出題される傾向にあります。原子についても細かい知識が問われるので、どの範囲も念入りに対策しておきましょう。

杏林大学 医学部医学科【化学】の傾向と対策

◆ 他学部との比較:医学部固有問題
化学は大問3〜4題構成です。大問の中で、独立した中問に分かれていることもあります。試験時間は理科2科目で100分であり、1科目あたり50分を目安に解答することになります。全問マーク式です。

◆ 問題難易度:標問と難問の混合型
標準レベルの内容が中心ですが、一部に応用問題も出題されています。実験を想定した問題や、複数分野にわたる総合問題が出題されるほか、理論と組み合わせる形で無機、有機、高分子の細かい内容まで問われる知識問題が多い傾向です。
出題形式としては、該当するものをすべて選ぶ問題や、複数の選択肢を選ぶ問題もあり、正確な知識が必要となる出題も目立ちます。計算問題やグラフの選択問題も出題されており、問題数も多いため、時間内にスピーディーに解答するトレーニングが必要です。

◆ 目標得点率:70〜80%
物理と比較すると解きやすい問題が多いため、年度によりますが、70%の得点を目指しましょう。化学が得意な場合は、80%以上の得点も可能でしょう。

◆ 試験時間:短い
標準的な難易度の問題が多いものの、一部の応用問題に時間がかかってしまう可能性が高く、すべての問題を解こうとすると試験時間は短いと感じる受験生が多いでしょう。特にグラフ選択問題や読み取り問題は、要点を素早く把握できるように練習しておきましょう。

◆ 取捨選択:必要
目標得点率を超えるためには、標準レベルの問題をひととおり解き切る必要があります。また、時間がかかる問題を適切に取捨選択できるかが重要です。時間配分を間違えないよう注意しましょう。

◆ 頻出分野:理論、無機、有機、高分子
全範囲から出題される傾向にあります。無機分野は理論計算に含む形で出題される場合が多い印象です。無機の工業的製法や化合物の性質、有機、高分子の官能基や製法といった細かい知識も含めて、ひとつひとつの知識を整理し、まんべんなく学習しておきましょう。

杏林大学 医学部医学科【生物】の傾向と対策

◆ 他学部との比較:医学部固有問題
過去には大問3題構成もありましたが、2021年度以降は大問4題構成で安定しています。試験時間は理科2科目で100分であり、1科目あたり50分を目安に解答することになります。全問マーク式です。

◆ 問題難易度:標問と難問の混合型
用語が問われる知識問題は基本〜標準レベルの内容が中心です。2023〜2024年度は計算問題が少なめでしたが、過去には10題程度出題されていた年度もあるため、計算問題も気を抜かずに対策しておきましょう。また、実験考察問題などの思考力が問われる問題も出題されています。
例年、大問1は小問集合で、いずれも基本的な知識で解ける問題なので高得点を狙いたいところです。正解を複数選ぶ問題も出題されているため、正確な知識が必要です。
大問2以降は、知識問題、計算問題、実験考察問題など、さまざまな形式で出題されます。実験考察問題にやや難しい問題が多く、長いリード文を読んで状況を適切に理解し、選択肢を絞れるかで差がつきます。

◆ 目標得点率:70〜80%
年度によりますが、直近の年度では解きやすい年度が多いです。合格のためには70%の得点を目指しましょう。実験問題の対策次第では80%以上の得点も可能でしょう。まずは知識問題を落とさないよう過去問演習に取り組み、その後、実験考察や計算問題の対策を進めてください。

◆ 試験時間:短い
試験時間50分に対して問題量が多く、特に実験考察問題に時間を使いすぎてしまわないよう注意する必要があります。知識で解ける問題はスピーディーに解答し、実験考察問題に適切に時間を使いましょう。

◆ 取捨選択:必要
年度によりますが、実験考察問題などの時間がかかりそうな問題は一旦スキップし、まずはひととおり解き終えることを目指してください。その後、残った時間でスキップした問題に再挑戦しましょう。

◆ 頻出分野:遺伝情報、代謝、体内環境、生殖・発生
私立医学部入試でよく見られる、遺伝情報や体内環境などの分子生物学に関連する内容が出題されやすい傾向にありますが、他にも進化・系統、生態に関する問題など、幅広い範囲から出題されています。多くの問題で正確な知識が求められるため、特定の分野に偏った学習はリスクが高まります。全範囲をまんべんなく学習しておきましょう。

他の私立医学部と比較した杏林大学医学部の特徴

本記事では、杏林大学医学部の傾向と対策をご紹介しました。

杏林大学医学部への進学を考えている人の中には、東北医科薬科大学医学部、帝京大学医学部、日本大学医学部、東海大学医学部などと比較検討している方も多いのではないでしょうか?

偏差値が近い私立医学部であるとはいえ、大学によって、教科ごとの配点や出題傾向などは大きく異なります。各大学の出題傾向を参考に、志望校の選定や対策に取り組むことをおすすめします。

以下のページで、各大学の出題傾向や、教科別の配点・分析を詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

▶︎ 東北医科薬科大学医学部の入試傾向と対策

▶︎ 帝京大学医学部の入試傾向と対策

▶︎ 日本大学医学部の入試傾向と対策

▶︎ 東海大学医学部の入試傾向と対策

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