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防衛医科大学校 医学科

【国公立医学部】防衛医科大学校 医学科の入試傾向と対策を徹底解説—記述式と択一式が混在。試験時間が短く取捨選択が重要

ハイレベルな受験生が集まる国公立医学部の受験。その中でも「防衛医科大学校 医学科に特化した対策」にはどのようにして取り組んでいけばいいのでしょうか?

この記事は、スタディカルテLabの教務チームが、防衛医科大学校 医学科の入試問題から読み取れる出題傾向を分析したものです。防衛医科大学校 医学科の入試傾向が、他の医学部とどのような違いがあるのかを理解し、現時点の学力から精度の高い対策を進めていくための参考にしてみてください。

防衛医科大学校 医学科

種別

国公立大学

地域

関東エリア

学費

〜400万円

再受験寛容度

厳しい

男女比率

男8:女2

※ 学費:国公立大学の場合、卒業までの6年間の学費は350万円ほどです。
※ 再受験寛容度:近年の入学者の統計データから、22歳以上の受験生の合格率に基づいて分類しています。
※ 男女比率:近年の入学者の統計データの男女比に基づいて分類しています。

防衛医科大学校 医学科の基本情報

防衛医科大学校 医学科 キャンパス情報

防衛医科大学校は、防衛省が設立した省庁大学校で、西武新宿線 「航空公園駅」からすぐの埼玉県所沢市並木3–2に位置しています。日本国内で唯一の「医官(医師である幹部自衛官)」を養成する学校であり、「防衛医大」「防医」「NDMC」などと略称されています。

防衛医大の学生は自衛官候補生として入学し、卒業後は自衛隊の医療現場で医官として働くことが義務付けられています。そのため、通常の医学教育に加えて、軍事的な知識や訓練もカリキュラムに含まれており、学生は医師としてだけでなく自衛隊員としての職務も果たす準備を進めます。研究機関として防衛医学研究センターを有し、自衛隊医療に関する独自の研究をおこなっていることも特徴のひとつです。

学生が学費を支払う必要がないことが大きな特徴です。さらに、在学中には毎月約13万円が支給されます。ただし、卒業後9年間は自衛隊に所属して医官として勤務する義務があり、その期間内に自衛隊を離れた場合は、給付された費用を返還しなければなりません。

防衛医科大学校 医学科 全体概要

防衛医科大学校の配点は非公表です。また、理科は「地学」の選択が不可です。年度によって内容が変更される場合もあるので、最新の情報は募集要項で確認してください。

防衛医科大学校の入試は時期に特徴があります。例年10月に第1次試験が、12月中旬に第2次試験が実施されています。第2次試験の合格発表は1月下旬です。他の国公立大学に比べて試験の時期が早いため、入試の練習として受ける受験生が多くいます。また、入学手続の締切日は実質的に設けられておらず、合格通知を受け取った後に辞退することも可能なため、国公立大学の合格発表を待ってから入学有無を判断することができます

応募資格は18歳以上21歳未満(入校年度の4月1日時点)であり、実質、2浪の受験生までが認められることになります。第1次試験の受験料は無料で、各都道府県の自衛隊関連の施設で受験することが可能です。

防衛医科大学校の入学試験は、(1)学力試験(2)口述試験・身体検査という2つの段階があります。
学力試験では、英語、数学、国語(古文・漢文を除く)、理科(物理・化学・生物の中から2科目選択)、小論文が課されます。英語、数学、国語、理科の試験は、択一・記述式の両方の形式で出題されます。択一式の問題で一定以上得点できていない場合、記述式の問題は採点されません。小論文は第2次試験受験者のみ採点されます。
各科目の配点が非公表であるため、すべての科目に対して万全な準備をしておく必要があります。

(参考:第53期(令和8年度入校) 防衛医科大学校 医学科学生受験要項 )

防衛医科大学校 医学科 個別学力試験 教科別分析

※ 以下の教科別分析に記載している目標得点率は、問題の難易度等からスタディカルテLabで予想した数値です。配点や合格最低点が大学側から公表されていないことから、記載の数値はあくまで予想値であることを十分にご理解の上、ご参考ください。

数学

英語

国語

物理

化学

生物

問題の難易度

標問と難問の混合型

標問と難問の混合型

標問と難問の混合型

標問と難問の混合型

標問と難問の混合型

標問と難問の混合型

目標得点率

60〜80%

60〜80%

60〜80%

60〜80%

60〜80%

60〜80%

試験時間

短い

短い

短い

短い

短い

短い

その他

複素数平面、図形と方程式など、グラフの作成や作図が必要な問題が多い。情報処理力・計算力が必要。解きやすい問題の見極めを

文法・語彙・アクセント、読解、英文和訳、整序問題など、多様な形式。科学系テーマの出題が多い。速読と精読のバランス良い対策を

2022年度以降、試験時間は45分で現代文1題のみ。評論あるいは小説が出題。記述式問題では内容説明と漢字の書き取りも出題あり

力学、電磁気からの出題が多く、原子はほぼ出題なし。過去には論述問題や描図問題も。大問ごとの難易度を見極めて取捨選択を

理論、無機、有機からまんべんなく出題。高分子を含め幅広い対策が必要で、考察力も試される。途中過程を記す計算問題も

体内環境や遺伝情報、動物の反応などの分子生物学に関連する内容が頻出。一部に細かい知識が求められる問題や、最新のテーマも

防衛医科大学校【数学】の傾向と対策

◆ 他学部との比較:医学部固有問題
大問7題構成で、試験時間は90分です。2022年度から出題形式が大きく変更となり、数学は択一式と記述式が同時に出題されるようになりました。
直近3年間では、択一式の問題が3〜4題、空所補充のマーク式の問題が2〜3題、記述式の問題が1題出題されています。

◆ 問題難易度:標問と難問の混合型
標準的な問題が中心ですが、一部に難問や計算が煩雑な問題も含まれており、試験時間内に合格点を取るのが難しい入試内容です。問題ごとの難易度にばらつきがあるので、取捨選択と試験時間を意識した問題演習が必要です。
択一式の問題で一定以上得点する必要があるので、まずは択一式の解くべき問題できちんと得点し、足切りに引っかからないようにしましょう。そのためにも、まずはすべての問題に目を通し、解きやすい問題を見極めてひととおり解くことを目指してください。
最後に記述問題が1題出題されていますが、証明問題は出題されていません。2022年度は場合の数と確率、2023年度は空間図形、2024年度は積分法・極限でした。全体的に差がつく内容で、過去問と類似の出題が目立ちます。類題の演習経験で差がつくので、過去問研究は入念にしておきましょう。

◆ 目標得点率:60〜80%
年度によりますが、60%以上、できれば70%の得点率を取れると良いでしょう。時間内に目標得点率をクリアするためには、情報処理力と計算力が重要になります。頻出テーマの問題は素早く解けるようにしておきましょう。

◆ 試験時間:短い
すべての問題を解き切るには時間が足りないでしょう。大問7題構成の場合、単純計算で1題あたり10〜15分ほどで解くことになりますが、実際にはやや難しい問題は一旦飛ばし、解きやすい問題は素早く解く必要があります。したがって、90分間の試験時間内で解くには、簡単な問題は5〜10分で、標準〜やや難しい問題には15〜20分かけることを目指すと良いでしょう。

◆ 取捨選択:必要
最後の記述問題は重たい場合が多いですが、その他の大問はさまざまな難易度の問題が順不同に並んでいます。難しい問題や行き詰まった問題は後回しにして、すぐに解答できる問題にできるだけ正解するという方針が望ましいです。過去問演習で時間配分と取捨選択をよく研究しておきましょう。

◆ 頻出分野:関数、場合の数・確率、整数の性質、数列、ベクトル、図形と方程式、複素数平面、微積分
複素数平面、図形と方程式など、グラフ作成や作図が必要な問題が目立ちます。確率、整数の性質、数列の問題も多く出題されています。指数対数関数、三角関数などは融合問題で出題されやすいです。
数3は後半の大問で1~2題ほど出題されている印象です。複素数平面や微積分からの出題が多く見られます。
全体を通して大問数が多いため、どの分野からも出題される傾向にあります。まんべんなく学習をおこなっておきましょう。

防衛医科大学校【英語】の傾向と対策

◆ 他学部との比較:医学部固有問題
近年は大問6題構成で、試験時間は90分です。2022年度から出題形式が大きく変更され、択一式と記述式が同時に出題されるようになりました。
直近3年間では、択一式の問題が4〜6題、記述式の問題が2〜3題出題されています。

◆ 問題難易度:標問と難問の混合型
年度によって内容が異なる場合もありますが、文法・語彙・アクセント問題、読解での空所補充問題、内容一致問題、内容説明問題、英文和訳の問題、整序問題など、さまざまな形式で英語の総合力が問われる内容です。
語彙レベルの高い英文が多い傾向にありますが、内容としてははさほど難易度が高くないものも存在します。大問数が多く、扱われる長文の数も多いので、日頃から速読と精読をバランス良く対策しておくことが重要です。近年は記述式の問題として、長文の内容説明問題と、下線部和訳問題が出題されています。長文1つずつの文章量はさほど多くありませんが、過去問などで記述問題の対策をしておきましょう。また、「親の七光り」「ボケる、ツッコミする」などの普段見慣れない表現を作成する語句整序問題が特徴的です。表現自体を知らなくても、文法的な知識で解ける場合が多いので、過去問で練習しておきましょう。

◆ 目標得点率:60〜80%
年度によりますが、60〜70%程度の得点率を目指しましょう。文章量が多いことが特徴なので、速読力をつけておきましょう。

◆ 試験時間:短い
試験時間90分に対して英文量と問題量が多く、試験時間は短いです。選択問題、記述問題ともにひとつの問題に時間を使いすぎないよう注意しましょう。

◆ 取捨選択:必要
試験時間が短く問題量も多いため、取捨選択が必要です。選択肢の吟味に時間がかかりすぎる場合は一旦マークして次に進みましょう。

◆ 医学部固有テーマ:普通
医系テーマも出題されますが、医系に限らず幅広い内容の長文が出題されています。科学系テーマの出題が多く、特に宇宙に関する長文の出題頻度が高い傾向にあります。対策としてThe New York Timesなどの科学記事を読んでおくことも効果的でしょう。

防衛医科大学校【国語】の傾向と対策

◆ 他学部との比較:医学部固有問題
2022年度以降、試験時間は45分で現代文1題のみの出題です。択一式の問題と、記述式の漢字の書き取り問題、内容説明問題が出題されています。

◆ 問題難易度:標問と難問の混合型
2022年度に出題方式が変わり、現代文1題のみの出題となりました。2022〜2023年度は小説が、2024年度は評論が出題されています。小説の問題は非常に文章量が多く、全体としての難易度は高いと言えるでしょう。慣用句に関する問題や、文学史に関する知識問題なども出題されており、現代文の総合力が必要となる内容です。
基本的には共通テストのような選択問題で、問題数が多いことが特徴です。選択肢の吟味に時間がかかってしまうものも含まれます。記述式問題では、漢字の書き取りと100字程度での内容説明問題1題が出題されています。

◆ 目標得点率:60〜80%
配点は不明ですが、目安としては選択式の問題で60%以上を目指しましょう。漢字の書き取り問題などで点数を落とさないよう心がけましょう。最後の記述式の問題は、日頃から答案作成の練習をおこなっておく必要があります。

◆ 試験時間:短い
文章量の多さ、読解内容、100字程度での内容説明問題があることを考えると、試験時間に余裕はありません。過去問を使って試験時間内に全問に取り組む感覚を掴んでおきましょう。

◆ 取捨選択:必要
試験時間が厳しいため、時間がかかりすぎる問題に関しては、とりあえずマークして次に進むことも重要です。選択肢の絞り込みに時間がかかる場合もあるので、まずはひととおりの問題に取り組んだ上で、選択肢を絞りきれなかった問題に戻る流れが有効でしょう。

◆ 古文漢文:なし
2022年度以降は現代文のみの出題です。評論、小説どちらの問題にも取り組んでおきましょう。過去問演習時は、2021年度以前の古文以外の問題にも取り組んでおくと良いでしょう。

防衛医科大学校【物理】の傾向と対策

◆ 他学部との比較:医学部固有問題
2022年度以降、大問5題構成で、試験時間は理科2科目で120分です。2022年度から出題形式が大きく変更され、択一式、空所補充のマーク式と記述式が同時に出題されるようになりました。

◆ 問題難易度:標問と難問の混合型
標準的な問題が中心に出題される傾向にありますが、大問ごとの難易度に差がある年度が多いです。難しい大問に関しては一旦飛ばして、次の大問に移りましょう。その見極めが重要となる試験内容です。
近似計算や数学力が必要となる問題、計算が煩雑な問題も出題されていて、計算力で差がつきます。有効数字を意識して、日頃から手を動かして計算しておきましょう。
記述式の問題に関しては、途中過程を記述するものも出題されています。2022年度以降は論述問題や描図問題は出題されていませんが、過去には出題されていたこともあるので、過去問などで対策をおこなっておきましょう。

◆ 目標得点率:60〜80%
年度によりますが、60〜65%以上をクリアしたいところです。他の受験生が解ける大問をミスなく正確に解くことを心がけましょう。典型的な難易度の大問で落とさないことが大切です。

◆ 試験時間:短い
目標得点率を意識しながら、試験時間内に解くことを意識しましょう。理科1科目約60分の試験時間に対して問題数が多いので、ひとつひとつの問題に時間を使いすぎないよう心がけましょう。

◆ 取捨選択必要
基本的には全問まんべんなく解答したいところですが、一部難易度が高い問題や、時間をかけないと解けないような問題も出題されています。解きにくい問題は一旦飛ばし、ひととおり解いてから再挑戦することを考えておきましょう。

◆ 頻出分野:力学、電磁気
力学と電磁気からの出題が中心です。出題傾向が変化した2022〜2024年度の3ヶ年は、どの年度も5題中4題が力学と電磁気からの出題で、残り1題は熱力学または波動からの出題でした。2023年度は大問5題中3題が電磁気からの出題でした。一方で、原子はほとんど出題されていません。

防衛医科大学校【化学】の傾向と対策

◆ 他学部との比較:医学部固有問題
2022年度以降、大問7〜9題構成で、試験時間は理科2科目で120分です。2022年度から出題形式が大きく変更され、択一式、空所補充のマーク式と記述式が同時に出題されるようになりました。後半3題が記述式となっています。

◆ 問題難易度:標問と難問の混合型
標準的な問題が中心ですが、一部にやや難しい問題も出題されています。グラフや実験結果からの考察を要する問題もあり、初見のテーマをその場で考える力が試されます。試験時間に対して問題数が多いので、時間内に合格点を得点するための情報処理力や取捨選択の状況判断も必要になります。
また、後半3題の記述問題では、途中過程を記す計算問題や現象の理由を説明する問題が多く、日頃から記述答案作成の訓練が必要です。現在は傾向が変わりましたが、過去には100字程度の論述問題が複数出題された年度もありました。正しいものの個数を選択する正誤問題や、描図問題が出題されることもあります。

◆ 目標得点率:60〜80%
年度によりますが、65〜70%程度の得点を目指しましょう。他の理科科目と比較すると、化学は特に試験時間が厳しい年度が多く、理科2科目での時間戦略・得点戦略が重要です。

◆ 試験時間:短い
試験時間に対する問題量が非常に多いので、全問解き切るには時間が短いと感じる受験生が多いでしょう。理論の計算や、無機、有機の知識問題など、さまざまなタイプの問題が出題されています。知識で解ける問題を先に解き、残りの時間で考察が必要な問題や計算問題に取り組みましょう。理科2科目での時間配分に注意が必要です。

◆ 取捨選択:必要
合格のためには、目標得点を意識した取捨選択が必要になります。スピードを意識して解くことはもちろん、時間がかかりそうな問題は後に回すよう気をつけましょう。

◆ 頻出分野:理論、有機、無機、高分子
理論、無機、有機からまんべんなく出題されています。無機は1つの題材を深掘りする形で出題されることが多いです。また、天然高分子だけでなく、合成高分子に関する問題もよく出題されているので、高分子化合物の性質や、構造決定問題の対策を念入りにおこなっておきましょう。試験日程が早いので、学校の授業進度が遅い場合は、早めに高分子まで対策しておく必要があるでしょう。

防衛医科大学校【生物】の傾向と対策

◆ 他学部との比較:医学部固有問題
2022年度以降、大問6題構成で、試験時間は理科2科目で120分です。2022年度から出題形式が大きく変更され、択一式、空所補充のマーク式と記述式が同時に出題されるようになりました。後半2題が記述式になっています。

◆ 問題難易度:標問と難問の混合型
標準的な問題が中心ですが、一部に細かい知識が求められる問題や、最新テーマを題材とする問題も出題されています。2022年度以降は、選択式のマーク問題が多く出題されています。知識で解ける問題もありますが、データや文章を読んで考察が必要となる問題も多く、初見のテーマが出題されることもあるので、考察力を鍛えておきましょう。
後半2題の記述問題では、用語を答える問題や、字数制限のある論述問題が出題されています。2021年度以前は字数制限のある論述問題が非常に多く出題されていたため、今後も出題される可能性があります。過去問などを用いて、しっかりと対策をおこなっておきましょう。論述問題については、信頼のおける先生に添削指導を受けておくことを推奨します。

◆ 目標得点率:60〜80%
年度によりますが、合格のためには65〜70%以上の得点を目指しましょう。標準レベルの問題をひととおり解いた上で、差がつく考察問題にもある程度は対応できるようにしておきましょう。また、試験日程が早いため、現役生にとって対策が手薄になりやすい分野が大問として出題された場合、ビハインドになる可能性もあります。穴は作らないようにしてください。

◆ 試験時間:短い
理科1科目60分に対する問題数が多く、後半2題に含まれる論述問題の記述量も多いため、試験時間は短いと感じる受験生が多いでしょう。

◆ 取捨選択:必要
大問ごとの難易度の差が大きいため、残りの試験時間に合わせた取捨選択が必要です。知識で解ける問題を着実に解答した上で、考察が必要な問題や論述問題に取り組みましょう。

◆ 頻出分野:遺伝情報、代謝、体内環境、生殖・発生、進化・系統
体内環境や遺伝情報、動物の反応などの、分子生物学に関連する出題が目立ちます。特に、体内環境の分野は記述式で毎年出題されています。他にも、進化・系統に関する問題もよく出題されているので、注意が必要です。

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