全国に約30校存在している私立医学部。入試の難易度は大学によってさまざまです。では、それぞれの医学部に合格するためにはどの程度の学力が必要なのでしょうか?本記事では、私立の医学部医学科について、難易度の基準のひとつである「偏差値」でランキングにした一覧形式でご紹介します。志望校選びに悩んでいる受験生・高校生の参考になれば幸いです。そもそも偏差値とは偏差値とは、ある集団の中での立ち位置を示す指標のことです。偏差値50を基準に、数字が50より大きいほど集団の中で上位、小さいほど下位であることを示します。模試やテストで自分の学力を測ったり、大学の難易度を表したりするときに使います。自分自身の偏差値は、河合塾や駿台などの大手予備校が実施している模試を受験することで確認できます。ただし、偏差値が示す学力は、母集団の学力レベルや受験時期にも大きく影響される点に注意してください。例えば、同じ70点だったとしても、全国の多くの現役生が受験する駿台・ベネッセ大学共通テスト模試で解きやすい問題が出題され、平均点が60点だった場合と、難関大を目指す受験生が多く受験する駿台全国模試で難しい問題が多く出題され、平均点が30点だった場合では、偏差値や推定される学力は大きく異なります。正しい実力を測るためにも、偏差値の数値だけを見て一喜一憂するのではなく、模試のレベル(受験者層)を含めて判断するようにしましょう。偏差値を参考に、自分の立ち位置を見極めよう模試の結果が返ってきたら、自身の偏差値と志望大学の偏差値を照らし合わせてみましょう。偏差値は、実力に合った志望校を選ぶにあたっての参考になります。第1志望の大学だけでなく併願校を決める際にも、偏差値はひとつの指標になるので、現時点の学力と見比べながら出願校を検討しましょう。また、模試の結果に記載されている「A判定」「B判定」などの志望校判定も、偏差値をもとに表示されていることが多いです。志望校判定とは、ある大学への合格可能性を測るもので、多くの場合A〜E判定の5段階で評価されます。合格判定基準は受験する模試によって多少変わりますが、例えば河合塾の模試では以下のように分類されています。合格判定合格可能性A判定80%以上B判定65%C判定50%D判定35%E判定20%以下(参照:合格可能性評価について|河合塾)志望校判定と偏差値の関係について、さらに詳しく見ていきましょう。以下の図は、志望校判定でA判定を取るためにはどの程度の偏差値が必要なのか、大学の偏差値別にイメージを可視化したものです。▼ 下図:偏差値と順位の関係は如何に|河合塾 を参考に、スタディカルテLabにて作成縦軸が自分の偏差値、横軸が志望校の偏差値とします。この表をもとに考えると、志望校の偏差値が65.0〜67.5だった場合、模試でA判定を獲得するためには、少なくとも70.0以上の偏差値が必要だとわかります。以上のように偏差値や志望校判定は、現時点の学力と志望校のレベルの間にどのくらいの差があるのかを把握する際の参考になります。また、他の受験生と比較した自分の立ち位置を客観視することもできるので、定期的に模試を受け、学力の推移を確認すると良いでしょう。【私立医学部】偏差値ランキング以下の表は、私立医学部(一般選抜 前期試験)の偏差値(※)を、上位から順に一覧にしたものです。各大学の偏差値と自身の学力を比較して、志望校選びの参考にしてみてください。※ 2024年8月時点で大手予備校各社が発表している偏差値を参考に平均を取り、ランキングを作成しています。ランキング表の大学名からは、各大学の出題傾向について詳しい解説を確認できます。気になる大学の傾向を掴むために、ぜひお役立てください。大学名偏差値慶応義塾大学(医-医)73.5東京慈恵会医科大学(医-医)71.0順天堂大学(医-医)A方式70.7日本医科大学(医-医)前期70.0自治医科大学(医-医)69.8関西医科大学(医-医)69.0国際医療福祉(医(千葉)-医)68.3昭和医科大学(医-医)1期68.2東邦大学(医-医)68.2大阪医科薬科(医-医)68.2東京医科大学(医-医)67.8東海大学(医-医)一般67.3近畿大学(医-医)前A67.0産業医科大学(医-医B)66.8杏林大学(医-医)66.7日本大学(医-医)N1期66.7帝京大学(医-医)66.7藤田医科大学(医-医)66.7東北医科薬科大学(医-医)A方式東北66.0久留米大学(医-医)前期66.0北里大学(医-医)65.8福岡大学(医-医)系統別65.5埼玉医科大学(医-医)65.3愛知医科大学(医-医)65.3岩手医科大学(医-医)一般64.8獨協医科大学(医-医)64.8東京女子医科大学(医-医)64.8聖マリアンナ医科大学(医-医)64.8金沢医科大学(医-医)前期64.8兵庫医科大学(医-医)A464.8川崎医科大学(医-医)62.5私立医学部の志望校選びのポイント入試日程の重複に気をつけよう日本の私立医学部は全部で31校ありますが、そのうち10校ほどの大学は、1/21〜1/28頃に一次試験がおこなわれます。受験シーズン開始からたった1週間程度で、すでに1/3ほどの大学の一次試験が終了してしまうのです。よく考えて志望校を選ばないと、一次試験と二次試験の日程が重複してしまったり、受験会場までの長時間の移動等でベストコンディションでの受験ができなくなってしまったりする可能性があります。また、過密な日程の中、入試関連書類の用意や宿の手配などの事前準備に追われてしまう場合もあるでしょう。私立医学部の入試日程は複雑なので、受験カレンダーを参照しながら、パズルのように組み合わせて出願校を決定していきましょう。場合によって異なりますが、国公立と併願の場合は2〜4校ほど、専願なら4〜6ほどの私立医学部を受験する受験生が多いようです。(多い人は10校ほど受験する場合も。)自分の状況に合わせて、スケジュールを立てていきましょう。大学と自分との相性を見極めよう偏差値ランキングを見てわかるように、私立医学部は同じ偏差値帯に複数の大学が存在しています。ただし、同じ偏差値帯の大学であっても、標準問題を速く正確に解く必要がある、難しめの問題が出題される、論述問題が頻出しているなど、その入試傾向は大学ごとに大きく異なることに注意が必要です。例えば、偏差値が同じ次の2大学を比べてみても、獨協医科大学:共通テストのようなマーク式聖マリアンナ医科大学:記述が多く独特という違いがあります。単に偏差値だけを基準にして、「第一志望」「滑り止め」といったように大学を選ぶことは失敗のもとです。大学ごとの入試傾向と自分の特性を見極め、相性を吟味する必要があります。各大学の科目別配点比率や、過去の合格者最低点などを確かめ、自分の学力も考慮しながら受験校候補を考えましょう。志望校の出題傾向と自分の特性が近ければ相性が良いですし、離れるほど相性が悪いということになります。医学部への合格を最優先目標にする場合は、受験校を相性の良い大学に絞り込み、必要な学習に集中し、合格の可能性を少しでも高める戦略を取ることをおすすめします。また、「医学を学ぶ」という観点で考えると、大学合格はあくまで第一歩であり、ゴールではありません。自分が学びたい内容を実際に学べるか、その地域やキャンパスで学生生活を楽しめそうかなど、大学入学後のイメージも含め、さまざまな要素を総合的に考えて判断することをおすすめします。偏差値は、志望校選びに迷ったときの判断材料のひとつとして使うようにしましょう。医学部受験は志望校選びと受験戦略が鍵本記事では、私立医学部の偏差値について、ランキング形式でご紹介しました。志望校の偏差値を気にすることはもちろん大切ですが、大学によって試験の配点や出題形式などは異なるので、自身の学力や得意科目に合わせた志望校選びも重要です。各大学の配点や傾向を総合的に分析して受験校を決定し、志望校に特化した対策を進めていきましょう。スタディカルテLabでは、丁寧なヒアリングをもとに、ひとりひとりの学習状況に合わせて、学習計画の立て方や志望校選びのサポートをおこなっています。勉強の進め方や学習計画についてはもちろんのこと、「A大学とB大学どちらを受験するか迷っている」というような志望校選びや進路のご相談も承ります。勉強や受験に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度スタディカルテLabにご相談ください。毎週最大5名様まで、30分の無料学習相談を受付中です。▼ 無料学習相談について、詳細はこちらからまた、スタディカルテLabでは、60分の体験授業が無料です。医学部合格に向けて具体的に対策を進めていきたい方は、ぜひ一度、プロ講師によるハイクオリティな指導をご体験ください。▼ 体験授業のお申し込みはこちらから。お待ちしております!