私立医学部を志望する受験生にとって、複数の大学に出願するのはもはや当たり前となっています。そんな中で、以下のような悩みを抱える方も少なくありません。「何校くらい出願するべきかわからない」「A大学とB大学の試験日が重なっていて、どちらを選べばよいか判断に悩む」「複数校を受験していく上で、どの大学の対策を優先するべきかわからない」本記事では、このような悩みを持つ受験生に向けて、2026年度の私立医学部入試日程を紹介するとともに、2025年度以前の傾向と比較しながら、出願戦略を立てる上での注意点を解説します。2026年度に私立医学部を受験しようと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。私立医学部の受験校を絞り込むポイント私立医学部は、全国に31校あります。数ある私立医学部の中から、どのように受験校を絞り込んでいけば良いのでしょうか。入試難易度や出題傾向はもちろん考慮すべきですが、それに加えて特に次の2点に注意しましょう。入試日程の確認と調整まず確認すべきことは、入試日程です。私立医学部の入試は、1月下旬から2月上旬に集中しており、この期間は複数校の入試が重なりやすいため、以下のポイントに注意してスケジュールを立てる必要があります。◆ 他大学の日程と重なっていないか志望校の試験日が他大学と被っていないかを、慎重に確認しましょう。入試シーズンは、一次試験・二次試験・合格発表などのタイミングが混在するため、カレンダーと照らし合わせ、早めにスケジュールを把握しておくことが大切です。また、大学によっては、「複数日程の中から自分で試験日を選択できるケース」と「大学側から試験日を指定されるケース」があります。試験日を指定される場合は、大学から連絡が来るまで複数日のスケジュールを空けておく必要があるため、併願校との兼ね合いに注意してください。志望順位の高い大学の二次試験と、併願校の一次試験が重なる場合は、両方に出願しておくのもひとつの方法です。志望順位が高い大学を中心に、柔軟に入試日程を組んでいきましょう。◆ 過密スケジュールになっていないか連日の入試は、集中力や体力の消耗に大きく影響します。特に一次試験の場合、入試が続くと集中力を維持することが難しくなり、本来の力を発揮しきれない可能性もあるので、無理のないスケジューリングを心がけましょう。スタディカルテLabでは、4日以上連続で入試が続く場合は、受験校の取捨選択をおすすめしています。入試が続く場合は、最大で3日までに抑えることで、パフォーマンスを維持しやすくなります。また、一次試験は地方会場でも実施されることが多い一方で、二次試験は実際の大学キャンパスでおこなわれる場合が多いです。二次試験に進んだ場合は、試験日以外にも移動日を確保するなど、無理のない入試計画を立てましょう。◆ 入試日程の確認には『私立医学部 受験カレンダー』が便利!複雑な私立医学部の試験日程をスマートフォン上で簡単に把握するには、スタディカルテLabの『私立医学部 受験カレンダー』が便利です。簡単な2ステップで、試験日や合格発表日を一覧で確認・整理できます。2026年度版も近日公開予定です。受験会場・移動ルート・宿泊場所の下調べ受験会場や、移動ルートについても、事前によく確認しておきましょう。◆ 移動時間に余裕はあるか遠方の会場で受験する場合、移動時間の確保が大切です。試験前に疲労を溜めないためにも、余裕を持って移動できるスケジュールを立てましょう。特に、1月下旬〜2月中旬は一次試験と二次試験が混在する時期となるため、受験会場には注意が必要です。気になる大学の受験会場と移動ルートは事前によく確認し、実際に移動可能かどうかを見極めた上で出願校を決定しましょう。◆ 会場付近で宿泊施設を確保できそうか当日の電車の遅延や天候不良の可能性を考慮し、できれば会場周辺に宿泊しておくことがおすすめです。近年では、インバウンドの影響もあり、関東や関西などの主要都市では宿泊施設の予約が困難な場合もあります。さらに、大型イベント(コンサート・スポーツ大会など)と日程が重なると、宿泊施設や新幹線・飛行機の予約も取りづらくなるため注意が必要です。出願校を決定したら、なるべく早めに宿泊先を確保しましょう。会場まで徒歩圏内、ターミナル駅に近いなど、アクセスのよい宿を選ぶことで、当日の移動もスムーズになります。2026年度 私立医学部一次試験・二次試験日程以下に、2026年度の私立医学部入試の日程と、注意点を記載しています。受験校選びの参考にしてみてください。日程の見方・① 等:受験日が複数あるうち、いずれか1回のみ受験が可能・1日目 等:受験日が複数あるうち、複数日程の受験が可能・※:東京女子医科大学の日程は、大学公式HP上では近日公開予定とされています2026年1月◆ 2026年1月17〜18日共通テスト◆ 2026年1月20日一次試験:愛知医科大学2024、2025年度に引き続いて、愛知医科大学が私立医学部入試のトップバッターになりました。◆ 2026年1月21日一次試験:国際医療福祉大学、岩手医科大学例年通り、国際医療福祉大学と岩手医科大学の日程が重複しています。◆ 2026年1月22日一次試験:帝京大学(1日目)◆ 2026年1月23日一次試験:帝京大学(2日目)◆ 2026年1月24日一次試験:帝京大学(3日目)、東北医科薬科大学例年通り、帝京大学が3日間入試をおこないます。入試日によって難易度に差があることが多いので、志望度が高い場合は3日間すべて受験することをおすすめします。複数日受験した場合は、一番高い得点を取った日程が合否判定に採用されます。◆ 2026年1月25日一次試験:近畿大学2025年度では、近畿大学と川崎医科大学の入試日が重複していましたが、2026年度は近畿大学の単独日程になりました。この影響により、特に関西圏においては、近畿大学の受験者が増えるのではないかと予想されます。◆ 2026年1月26日一次試験:自治医科大学(学力試験)◆ 2026年1月27日一次試験:自治医科大学(面接)◆ 2026年1月28日一次試験:兵庫医科大学二次試験:国際医療福祉大学①◆ 2026年1月29日一次試験:なし二次試験:国際医療福祉大学②◆ 2026年1月30日一次試験:なし二次試験:国際医療福祉大学③、岩手医科大学①◆ 2026年1月31日一次試験:関西医科大学二次試験:国際医療福祉大学④、岩手医科大学②2026年2月◆ 2026年2月1日一次試験:日本大学、川崎医科大学、久留米大学、東京女子医科大学(※)二次試験:国際医療福祉大学⑤例年多くの大学の入試が2月1日に集中していましたが、川崎医科大学も2026年度から2月1日実施となりました。日本大学、久留米大学、女子医科大学とも日程が重なるので、これらの大学を志望する受験生にとっては、出願校選びが重要になるでしょう。◆ 2026年2月2日一次試験:杏林大学、東海大学(1日目)、福岡大学、日本医科大学二次試験:国際医療福祉大学⑥例年に比べ、杏林大学が大きく日程を後ろ倒しにし、2月に試験をおこないます。◆ 2026年2月3日一次試験:東海大学(2日目)、順天堂大学、北里大学、金沢医科大学(1日目)二次試験:なし金沢医科大学は、例年1月30〜31日に実施していた入試日程を変更しました。2026年度は東海大学(2日目)などと日程が重なるため、受験生は出願計画に十分注意する必要があります。◆ 2026年2月4日一次試験:金沢医科大学(2日目)、東京医科大学、藤田医科大学二次試験:自治医科大学藤田医科大学は、2026年度から大幅な学費引き下げをおこない、入試日程も変更しました。近年は単独日程だった東京医科大学と同日に実施されるため、受験生は注意が必要です。◆ 2026年2月5日一次試験:聖マリアンナ医科大学二次試験:帝京大学①、愛知医科大学①2025年度に続いて、聖マリアンナ医科大学が単独日程になる予定です。◆ 2026年2月6日一次試験:昭和医科大学二次試験:帝京大学②、愛知医科大学②2025年度に続いて、昭和医科大学が単独日程になる予定です。◆ 2026年2月7日一次試験:東邦大学二次試験:兵庫医科大学①、川崎医科大学①、東北医科薬科大学①東邦大学は、2025年度では埼玉医科大学や藤田医科大学と日程が重なっていましたが、2026年度では単独日程となりました。◆ 2026年2月8日一次試験:埼玉医科大学、産業医科大学(学力試験)二次試験:兵庫医科大学②、川崎医科大学②、近畿大学、東北医科薬科大学②埼玉医科大学は、下位層の私立医学部において実質的に単独日程となりました。過去には東邦大学(2025年度)、東海大学(2024年度)、福岡大学(2024年度)、金沢医科大学(2023年度)と日程が重なっていたことを踏まえると、受験者数や競争状況の変化には注意が必要です。◆ 2026年2月9日一次試験:慶應義塾大学二次試験:なし◆ 2026年2月10日一次試験:大阪医科薬科大学二次試験:日本医科大学①◆ 2026年2月11日一次試験:獨協医科大学(1日目)、慈恵会医科大学二次試験:日本大学、杏林大学①獨協医科大学は、これまでの1月実施から大きく変更し、2月実施となりました。単独日程で2日間おこなわれるため、受験者数の動向には注意が必要です。◆ 2026年2月12日一次試験:獨協医科大学(2日目)二次試験:杏林大学②、藤田医科大学①、日本医科大学②◆ 2026年2月13日一次試験:なし二次試験:藤田医科大学②、久留米大学、順天堂大学①◆ 2026年2月14日一次試験:なし二次試験:藤田医科大学③、関西医科大学、順天堂大学②、東京医科大学、東海大学①、福岡大学、北里大学①、聖マリアンナ医科大学①、昭和医科大学①、東京女子医科大学①(※)例年、藤田医科大学は二次試験を2日間実施していましたが、2026年度では3日間に拡大しています。◆ 2026年2月15日一次試験:なし二次試験:順天堂大学③、東海大学②、北里大学②、聖マリアンナ医科大学②、昭和医科大学②、東邦大学①、埼玉医科大学、東京女子医科大学②(※)◆ 2026年2月16日一次試験:なし二次試験:北里大学③、東邦大学②、金沢医科大学①◆ 2026年2月17日一次試験:なし二次試験:金沢医科大学②◆ 2026年2月19日一次試験:なし二次試験:大阪医科薬科大学◆ 2026年2月21日一次試験:なし二次試験:獨協医科大学①、慈恵会医科大学①◆ 2026年2月22日一次試験:なし二次試験:獨協医科大学②、慈恵会医科大学②◆ 2026年2月23日一次試験:なし二次試験:慈恵会医科大学③◆ 2026年2月25〜27日国公立大学前期日程◆ 2026年2月28日一次試験:埼玉医科大学(後期)、日本医科大学(後期)二次試験:なし埼玉医科大学の後期日程が前倒しされました。2026年3月◆ 2026年3月1日一次試験:近畿大学(後期)二次試験:慶應義塾大学◆ 2026年3月3日一次試験:金沢医科大学(後期)、聖マリアンナ医科大学(後期)二次試験:なし◆ 2026年3月4日一次試験:日本大学(2期)二次試験:なし◆ 2026年3月7日一次試験:関西医科大学(後期)、昭和医科大学(Ⅱ期)二次試験:なし◆ 2026年3月8日一次試験:久留米大学(後期)二次試験:埼玉医科大学(後期)◆ 2026年3月9日一次試験:獨協医科大学(後期)二次試験:日本医科大学(後期)◆ 2026年3月10日一次試験:大阪医科薬科大学(後期)二次試験:なし◆ 2026年3月11日一次試験:なし二次試験:金沢医科大学(後期)◆ 2026年3月12日国公立大学後期日程一次試験:なし二次試験:近畿大学(後期)、産業医科大学◆ 2026年3月13日国公立大学後期日程一次試験:なし二次試験:聖マリアンナ大学(後期)◆ 2026年3月14日一次試験:なし二次試験:昭和医科大学(Ⅱ期)◆ 2026年3月16日一次試験:なし二次試験:獨協医科大学(後期)、久留米大学(後期)◆ 2026年3月17日一次試験:なし二次試験:関西医科大学(後期)、日本大学(後期)◆ 2026年3月18日一次試験:なし二次試験:大阪医科薬科大学(後期)私立医学部受験は志望校選びと受験戦略が鍵本記事では、私立大学医学部の入試日程や、出願戦略を立てる上での注意点をご紹介しました。一概に私立医学部といっても、大学ごとに試験日や個別学力試験の科目・配点、出題形式などは異なるので、自分の学力や状況に合わせた志望校選びが重要です。各大学の傾向を総合的に分析して受験校を決定し、志望校に特化した対策を進めていきましょう。スタディカルテLabでは、各大学の出題傾向や今年度の受験日程を踏まえ、一人ひとりに合わせた最適な受験校戦略をご提案しています。入塾者には、専任の学習プランナーが医学部受験のコンサルティングをおこなっておりますので、気になる方はぜひ無料学習相談へお越しください。