医学部進学を目指すお子さまを持つ保護者の方にとって、「学費」は大きな関心事ではないでしょうか。特に、私立医学部の学費は高額になるため、正確な情報と計画が必要です。本記事では、2025年度入学における私立医学部の学費ランキングをご紹介するとともに、奨学金制度や地域枠選抜を上手に活用して負担を軽減する方法や、学費と偏差値の関係、近年の学費動向をお伝えします。ご家族にとって最適な選択をするための参考にしていただければと思います。私立医学部 学費ランキング以下の表は、私立医学部の6年間でかかる学費が低い順に一覧にしたものです。志望校選びの参考にしてください。ランキング表の大学名からは、各大学の出題傾向について詳しい解説を確認できます。気になる大学の傾向を掴むために、ぜひお役立てください。各大学のHPで公開されている情報をもとに作成しています。詳細は最新の募集要項などをご確認ください。大学名6年間総額(円)1.国際医療福祉大学18,500,0002.順天堂大学20,800,0003.関西医科大学21,550,0004.日本医科大学22,000,0005.慶應義塾大学22,419,6006.東京慈恵会医科大学22,500,0007.自治医科大学23,000,0008.東邦大学25,800,0009.昭和大学(昭和医科大学)27,000,00010.大阪医科薬科大学29,075,00011.東京医科大学29,841,80012.藤田医科大学30,406,00013.産業医科大学30,697,80014.日本大学33,380,00015.岩手医科大学34,000,00015.東北医科薬科大学34,000,00017.聖マリアンナ医科大学34,820,00018.愛知医科大学35,100,00019.東海大学35,506,20020.近畿大学35,827,00021.久留米大学36,378,00022.埼玉医科大学37,000,00023.獨協医科大学37,300,00024.兵庫医科大学37,600,00025.福岡大学37,738,26026.杏林大学37,740,70027.北里大学38,900,00028.帝京大学39,086,00029.金沢医科大学40,443,00030.東京女子医科大学46,214,00031.川崎医科大学47,400,000同じ私立医学部でも、最も学費が低い国際医療福祉大学で18,500,000円、最も高い川崎医科大学は47,400,000円と、倍以上の差があります。また、6年間の学費だけでなく、生活費やその他の出費など総合的な費用を考慮した上で志望校を決定しましょう。国公立医学部と私立医学部の学費相場はどのくらい?国公立医学部と私立医学部では、学費にどのくらいの違いがあるのでしょうか?それぞれの学費相場についてご紹介します。国公立医学部の学費相場国公立医学部に6年間通う場合にかかる学費は約350万円です。国立大学では、文部科学省の省令により授業料・入学料・検定料の標準額が定められていて、この標準額を基に各国立大学法人が学費を設定します。標準の入学料は28万2,000円、授業料は年間で53万5,800円となっており、ほとんどの国公立大学が標準額と同程度の学費を設定しています。最近では2024年9月に、これまで標準額を設定していた東京大学が授業料を20%値上げすることを公表し、話題となりました。2025年度から東京大学の授業料は年間64万2,960円に改定されます。今回の学費改定は、理科三類(理三)を目指す医学部志望者や他の国公立大学にも影響を与える可能性があり、今後の学費動向にも注目が集まっています。私立医学部の学費相場一方、私立医学部の学費は6年間で平均3,200万円程度と、国公立医学部と比べて非常に高額です。ランキング表でもご紹介したように、私立医学部は大学によって学費に幅があり、4,000万円を超える大学もあれば、2,000万円以下の学費を設定している大学もあります。したがって、医学部受験を考える場合には、どの程度まで学費を払えるかという点も考慮して志望校を検討する必要があります。奨学金や地域枠の利用で学費を抑えられる場合も国公立医学部と比較すると非常に高額となる私立医学部の学費ですが、奨学金制度や地域枠選抜を活用することで軽減できる場合があります。奨学金制度とは奨学金制度とは、主に経済的な理由等で進学が難しい人に向けて、学費の給付や貸与を行う制度です。特に私立医学部は、充実した制度を設けている大学が複数存在します。また、各地方自治体が独自で設けている医学部医学科向けの奨学金を利用できる場合もあります。日本学生支援機構のホームページでは「大学・地方公共団体等が行う奨学金制度」が紹介されているので、自分の志望校や自治体の情報を調べてみるとよいでしょう。(参考:大学・地方公共団体等が行う奨学金制度|日本学生支援機構 )こちらの記事では、特に奨学金制度が充実している順天堂大学・埼玉医科大学・東北医科薬科大学の3大学をご紹介しています。奨学金制度に関心のある方は併せてご参考ください。▶︎ 条件や金額は?奨学金が充実している私立医学部3選地域枠選抜とは地域枠選抜(地域枠入試)とは、大学卒業後に特定の地域や診療科で医療に携わることを条件に受験生を選抜するための入試枠のことです。地域枠選抜では一般的に、大学卒業後に一定の期間、大学が指定する地域や診療科で医療に携わることを条件として、奨学金を貸与する制度が整えられています。条件を満たせば奨学金の返済が免除されることがあり、このような制度を活用することで、実質的な学費負担を抑えることができます。地域枠選抜について、詳しくは以下の記事もご参考ください。▶︎ 医学部地域枠とは?選抜制度と全国医学部の地域枠一覧を紹介地域枠選抜の受験を含め、奨学金制度を利用する際には、事前に条件をよく確認しましょう。多くの場合、奨学金制度は貸与型であり、基本的には将来返済する必要があります。返済する際には借りた金額に利子がつくこともあるので、将来のマネープランをよく検討したうえで制度を有効に活用しましょう。偏差値が高いほど学費は低くなる傾向がある2,000万円以下から4,000万円超まで幅のある私立医学部の学費。その金額は、偏差値にも影響を及ぼす場合があることをご存知でしょうか?以下のグラフは、私立医学部における学費と偏差値の関係を示したものです。私立医学部全31校をプロットすると、偏差値が上がるにつれて学費は下がる傾向にあることが読み取れます。なお、上記の傾向から少し外れた値を示す大学として、国際医療福祉大学や慶應義塾大学が挙げられます。国際医療福祉大学医学部は2017年に新設された新しい医学部ですが、学費が低いことで有名であり、志願者は毎年4,000名前後と、関東圏で人気の私立医学部として定着しつつあります。慶應義塾大学医学部の学費は比較的安価(2,000万円台前半)であり、その偏差値は同価格帯の私立医学部の中でも頭ひとつ抜けていることがわかります。学費の変化が志願者数に大きく影響することも私立医学部の出願校を決める際には、学費面が重要な検討材料となる受験生も少なくありません。実際に、学費の増減が志願者数に大きく影響した例をご紹介します。順天堂大学は2008年度に学費を約900万円値下げしました。その結果、志願者が大幅に増加し、偏差値が上がったことで、現在は「私立医大四天王」や「私立医学部の新御三家」のひとつとして名を連ねるまでになっています。東京女子医科大学は2021年度に約1200万円の学費増額をおこないました。その影響で、志願者数は学費増額前の6割程度に減少しています。最近では2023年度に、大阪医科薬科大学が約300万円、関西医科大学が約670万円の学費値下げをおこなうことが話題となりました。その結果、2023年度入試の合計志願者数は前年と比較して、関西医科大学では3,861名から5,437名に急増、大阪医科薬科大学では2,949名から3,501名に増加しました。このように、今後も学費の変動によって偏差値や志願者数が変化する可能性があります。最新の動向をよくチェックしておきましょう。志望校・併願校選びをサポート本記事では、私立医学部の学費ランキングや相場、偏差値との関係、近年の学費動向についてご紹介しました。志望校選びの参考になれば幸いです。私立医学部に合格するためには、学費面はもちろんのこと、偏差値や個別学力試験の配点比率といった情報、さらには入試問題との相性を確認し、自分に合った受験校を選択することも大切です。志望校が決まったら、志望校の入試傾向に沿った学習に取り組みましょう。とはいえ、限られた時間の中で、自分ひとりで情報収集や過去問分析をおこなうには限界があるでしょう。受験本番までの限られた時間を志望校に直結する勉強に充ててもらえるよう、スタディカルテLabでは3分で医学部入試との相性が確認できる『志望校相性診断』を無料でご提供しています。LINEに登録後、簡単な質問に答えていただくだけで、相性の良い志望校を診断することができます。ぜひご活用ください。医学部受験生(高3生・既卒生)の方へ入試本番まであと少し。1分1秒も無駄にはできません。志望校の入試傾向に特化した対策をおこないたい医学部受験生に向けて、スタディカルテLabでは現在「医学部 志望校別対策 直前個別指導パック」をご案内しています。医学部入試を熟知したプロ講師が、志望校の配点比率や入試傾向から逆算し、1人ひとりの合格課題を徹底解決。即効性の高い得点向上を叶えます。1科目から受講可能です。詳しくは、以下からご覧ください。これから医学部を目指す、中学生〜高2生の方へ冬休みの期間は、重要単元の確実な習得を!このことが、のちの受験勉強にとって大きくプラスに影響します。ただでさえイベントの多い年末年始。限られた時間をいかに有効活用できるかが勝負です。「特定の苦手分野を徹底的に強化したい」「2学期の総復習をしてほしい」といった中学1年生〜高校2年生の方は、こちらから冬期講習の詳細をご覧ください。無料学習相談も受付中スタディカルテLabでは、プロの学習プランナーによる無料学習相談も受付中です。受験校や併願校の選定に悩まれている方や、過去問研究を深めるためのアドバイスが欲しい方は、スタディカルテLabのLINEからお気軽にお声がけください。