私立医学部の一般選抜は、基本的には英語、数学、理科の3科目での受験となりますが、その配点は大学ごとに異なります。30校以上ある私立医学部の中から出願する大学を選ぶ際には、学費や立地、偏差値だけでなく、各科目の出題傾向や配点についても把握しておくことが重要です。今回は、私立医学部入試の各科目の配点に焦点を当て、その特徴を3つのパターンに分けて詳しく解説します。私立医学部の志望校選びの参考になれば幸いです。2025年度 私立医学部 科目別配点割合以下の表は、2025年度入試における私立大学医学部の科目別配点割合の一覧です。なお、理科①と理科②は、理科を2科目選択する大学における1科目ごとの配点を示しています。最新の情報は必ず各大学の募集要項を確認してください。均等型均等型は、数学・英語・理科①・理科②の4科目の配点割合が均等なパターンです。基本的には理科は2科目必須です。この配点パターンは科目ごとの配点に偏りがないため、すべての科目でバランス良く得点できる人や、理科が比較的得意な人に向いています。すべての科目で得点を伸ばせるよう、しっかりと対策をおこないましょう。英数重視型英数重視型は、英語と数学の配点割合が高いパターンです。例えば、国際福祉医療大学や藤田医科大学では、数学200点・英語200点・理科①100点・理科②100点という配点になっており、数学と英語の配点割合が理科1科目の2倍に設定されていることがわかります。この配点パターンでは、配点の大きい英語と数学で失点すると、残る理科でその失点分を挽回することが難しくなる可能性があります。英語と数学をしっかりと得点源にしつつ、理科についても配点割合が低いからと油断せずに点数の底上げをしておくことが重要です。特殊型特殊型は、均等型にも英数重視型にも分類されないパターンです。ここでは、順天堂大学・東邦大学・東海大学・帝京大学をこのパターンに分類しています。◆ 順天堂大学順天堂大学医学部(一般A方式)の配点は、数学100点・英語200点・理科①100点・理科②100点と、英語の配点が全体の40%を占め、非常に重視されています。英語の試験内容は、長文問題4題に加え、200語を超える自由英作文が出題されるなど、読解力と英作文力が問われる問題構成です。受験を検討している場合は、過去問や問題演習で英語の対策を万全にして臨みましょう。順天堂大学医学部の入試の傾向と対策はこちらから▶︎ 【私立医学部】順天堂大学医学部の入試傾向と対策を徹底解説◆ 東邦大学東邦大学医学部(一般選抜)の配点は、数学100点・英語150点・理科①75点・理科②75点であり、順天堂大学に比べれば多少割合は低いとはいえ、英語が全体の37.5%を占め、重視されている科目であることがわかります。配点割合の高い英語でしっかりと点数を取れるよう、速読を中心にトレーニングを重ねておきましょう。試験では、読解問題4題と文法関連の問題が2題出題されており、内容も高度です。医療系テーマの長文もよく出題されています。過去問を活用しながら、医療系のテーマに特化した英語対策を進めましょう。東邦大学医学部の入試の傾向と対策はこちらから▶︎ 【私立医学部】東邦大学医学部の入試傾向と対策を徹底解説◆ 東海大学東海大学医学部(一般選抜)では、第一次選考で英語・数学・理科が課されますが、理科は、化学・生物・物理から1科目のみの選択であることが大きな特徴です。配点は、数学100点・英語100点・理科100点となっており、理科が1科目での受験となるため、相対的に英数の配点が67%程度を占めています。また、数学は2023年度以降、試験範囲から数学3が除外されました。新課程の2025年度においても、数学の試験範囲は数学I、数学II、数学A、数学B(数列のみ)、数学C(ベクトルのみ)とされています。東海大学医学部の入試の傾向と対策はこちらから▶︎ 【私立医学部】東海大学医学部の入試傾向と対策を徹底解説◆ 帝京大学帝京大学医学部(一般選抜)は、英語が必須で、残りは数学・物理・化学・生物・国語から2科目を選択し、合計3科目で受験する形式です。配点は英語100点・選択科目①100点・選択科目②100点となっています。科目選択の自由度が高いので、自分の得意科目や学習状況に合わせて受験科目を決めると良いでしょう。数学を選択する場合、数3は不要です。帝京大学医学部の入試の傾向と対策はこちらから▶︎ 【私立医学部】帝京大学医学部の入試傾向と対策を徹底解説得意科目を活かした志望校選び私立医学部は、国公立医学部に比べて受験科目が少ないことが特徴です。受験科目が限られている分、数学・英語・理科という主要3教科の対策を万全にしておくことが重要です。また、英語が得意であれば英語の配点が高い大学を優先し、理科が苦手であれば配点が低めの大学を選ぶことで、受験を有利に進めることができるでしょう。前述の配点割合表を参考に、自分に合っているのは均等型なのか英数重視型なのかといった配点バランスを確認し、得意科目を活かせる大学を検討してみると良いでしょう。ただし、受験対策で大切なのは配点だけではありません。問題の傾向や出題範囲、自分との相性も非常に大切です。スタディカルテLabの「大学別入試傾向分析」のページでは、専門の教務チームによる詳細な分析をもとに、各私立医学部の入試傾向と対策をわかりやすくまとめています。志望校の入試傾向をよく理解し、効率的かつ精度の高い対策を進めていきましょう。面接や小論文対策も要注意医学部受験では、二次試験で面接や小論文が課されることが一般的です。これらの配点も大学によって異なるので、よく確認しておきましょう。例えば、金沢医科大学では面接に110点、小論文に60点と大きな点数が割り振られていますが、段階評価(※)を採用している大学や、配点を明記していない大学も存在します。※段階評価:点数ではなく、「A・B・C」や「良い・普通・悪い」といった基準を設けて評価する方法一次試験を通過しても、面接や小論文の対策が不十分だったために二次試験で失敗してしまうケースもあります。二次試験に向けた準備も計画的に進めておきましょう。面接と小論文の対策方法については、こちらの記事もご参考ください。▶︎ 小論文なんて怖くない!大学入試での小論文の書き方と心得▶︎ 【質問リスト50選を配布中】医学部合格を掴み取る面接対策をプロが伝授!志望校の配点や入試傾向を掴むことが合格への第一歩医学部に合格するためには、個別学力試験の科目や配点比率、過去問の傾向などを踏まえ、自分と相性の良い大学を受験することが重要な戦略のひとつです。志望校の入試傾向を掴み、傾向に沿った対策を進めていきましょう。とはいえ、さまざまな大学の情報を自分ひとりで収集し、過去問を分析するには、多くの時間と労力がかかってしまいます。スタディカルテLabでは、大学受験に精通した学習プランナーが1人ひとりの学習状況を丁寧に分析し、プロ講師による指導で志望校合格に導きます。プロの分析や知見をうまく活用し、限られた時間を有効に使って、効率的に受験対策を進めていきましょう。医学部受験生(高3生・既卒生)の方へ入試本番まであと少し。今年度の受験に向けて、1分1秒も無駄にはできません。志望校の入試傾向に特化した対策をおこないたい医学部受験生に向けて、スタディカルテLabでは現在「医学部 志望校別対策 直前個別指導パック」をご案内しています。医学部入試を熟知したプロ講師が、志望校の配点比率や入試傾向から逆算し、1人ひとりの合格課題を徹底解決。即効性の高い得点向上を叶えます。1科目から受講可能です。詳しくは、以下からご覧ください。これから医学部を目指す、中学生〜高2生の方へ冬休みの期間は、重要単元の確実な習得を!このことが、のちの受験勉強にとって大きくプラスに影響します。ただでさえイベントの多い年末年始。限られた時間をいかに有効活用できるかが勝負です。「特定の苦手分野を徹底的に強化したい」「2学期の総復習をしてほしい」といった中学1年生〜高校2年生の方は、こちらから冬期講習の詳細をご覧ください。無料学習相談も受付中スタディカルテLabでは、プロの学習プランナーによる無料学習相談も受付中です。受験校や併願校の選定に悩まれている方や、過去問研究を深めるためのアドバイスが欲しい方は、スタディカルテLabのLINEにてお気軽にお声がけください。