医学部受験における主要3科目は「英語」「数学」「理科」。基本的にはこれら3科目を重点的に勉強し、入試本番までにどれだけ学力を伸ばせるかが勝負となります。しかしながら、受験生の中には、入試本番までに理科の勉強が間に合わないと感じている現役生や、どうしても理科が苦手で克服できないと悩んでいる方もいると思います。そこで本記事では、個別学力試験に理科がない国公立医学部をご紹介し、志望校・受験校を検討するにあたってチェックするべきポイントを解説します。現在志望校を考えている高校生や既卒生の参考になれば幸いです。個別学力試験に理科がない国公立医学部受験の基本戦略国公立医学部の中には、個別学力試験で理科が課されない大学があります。このような大学を受験する場合、理科は共通テスト対策だけに集中すれば良いので、理科の対策に十分な時間を割けていない現役生でも受験しやすくなるでしょう。ただし、個別学力試験と共通テストの配点は大学によって違うため、個別学力試験で理科がない代わりに、共通テストの理科の配点が1.5〜2倍に設定されていることが多い点には注意が必要です。共通テストの理科2科目で高得点を取ることがより大事になりますが、そのためには全ての範囲について穴がないように入試基礎力を仕上げ、時間内に解くための読解力・情報処理力を高めておく必要があります。(応用問題の演習や論述対策の優先順位は低くなります。)以下では、個別学力試験に理科が課されていない大学をピックアップし、大学によって異なる科目ごとの配点や受験戦略の概略をご紹介します。旭川医科大学 医学部医学科の配点分析・特徴旭川医科大学医学部の入試は、個別学力試験に理科がない分、共通テストでは数学・英語の配点が半分に圧縮され、理科の配点は他科目の2倍となっています。個別学力試験よりも共通テストを重視する配点であり、個別学力試験は配点が低く、単科医科大学らしい難しめの問題も出題されるので、共通テストで失敗すると逆転が難しくなる可能性が高いです。共通テストの理科の配点は、面接点を含めない学力試験の合計点において23.5%という高い割合を占めています。共通テストの理科でどれだけ高得点を獲得できるかが重要となります。▶︎ 旭川医科大学 医学部 の入試傾向と対策を徹底解説弘前大学 医学部医学科の配点分析・特徴(2025年度〜)弘前大学は2025年度から入試形式が大きく変わり、個別学力試験は従来の総合問題から、数学・英語の2科目だけになります。この入試形式の変化に伴い、個別学力試験の配点は数学・英語・面接がそれぞれ300点ずつとなる予定で、面接点という不確実要素が大きいことが特徴です。面接を除く学力試験だけで見ると、英語・数学の重要度が高い配点と言えます。共通テストで多少ボーダーを下回っても、個別学力試験次第では逆転が可能でしょう。共通テストの理科は他教科の1.5倍と、配点が高く設定されていますが、全体を通してそこまで比重が大きいわけではありません。理科が苦手な受験生にとっても受験先の候補となりそうです。その場合は、他の科目で確実にカバーできるよう対策しておきましょう。▶︎ 弘前大学 医学部 の入試傾向と対策を徹底解説秋田大学 医学部医学科の配点分析・特徴秋田大学は、全国の国公立医学部でも有数の、共通テストの配点比率が高い大学です。共通テストでは理科の配点が、数学や英語と比べて2倍に設定されています。そのため、共通テストの理科で得点を稼げる受験生には有利ですが、共通テストで大きく失点すると逆転は難しくなります。理科を中心とした共通テスト対策と、英語・数学の過去問分析が重要です。また、面接の配点が200点と高いため、面接対策もおこなっておきたいところです。▶︎ 秋田大学 医学部 の入試傾向と対策を徹底解説島根大学 医学部医学科の配点分析・特徴島根大学も、個別学力試験よりも共通テストを重視する配点です。共通テストでは数学と英語の配点が半分に圧縮され、他大学と比べて国語と社会の配点比率が大きくなっています。理科が苦手な受験生や、共通テストの英語・数学で失敗した受験生、文系から理転した受験生、国語を得点源にできる受験生などに相性の良い大学です。ただし、個別学力試験の英語・数学は差がつく内容なので、しっかりとした対策が必要です。▶︎ 島根大学 医学部 の入試傾向と対策を徹底解説徳島大学 医学部医学科の配点分析・特徴徳島大学も、全国の国公立医学部でも有数の、共通テストの配点比率が高い大学です。共通テストで高得点をとるための徹底的な対策が必要となります。個別学力試験で理科は出題されませんが、共通テストの理科の配点が1.5倍の300点で、配点比率も大きいです。そのため、理科が苦手な受験生よりも、むしろ共通テストの理科で高得点が取れる受験生に相性が良いと言えるでしょう。共通テストで高得点が取れる受験生や、国語・社会の対策が遅れている受験生の受験候補先にもなりえる大学です。▶︎ 徳島大学医学部 の入試傾向と対策を徹底解説理科なしで受験する場合の3つの注意点個別学力試験に理科が課されていない大学とはいえ、「だから合格しやすい」というわけではありません。上記で述べたように配点比率は大学によってさまざまであり、年度によって志願者の増減や傾向の変化もありえます。以下に、理科のない大学を受験する場合の注意点をまとめました。理科を捨ててはいけない個別学力試験に理科がない大学を受験する場合でも、理科を全く勉強しないわけにはいきません。例えば秋田大学では、共通テストの理科の配点が2倍であり、学力試験全体の26%以上の比率を占めています。このように、個別学力試験に理科がなくても配点は理科重視になっている大学も多いため、いずれにしても理科対策は必須となります。この場合、理科については応用問題・論述問題の対策をすることよりも、全範囲で穴を作らないことや、情報処理力・読解力が重要となることを押さえておきましょう。英語と数学の個別学力試験対策は入念に個別学力試験を英語・数学の2教科で受験できるということは、自分以外の受験生たちも英語と数学を徹底的に対策してくることが予想されます。個別学力試験に理科がないからと安心して対策を怠ると、周りの受験生に差をつけられてしまいます。理科がない分、英語と数学の個別学力試験対策は早い時期から取り組みましょう。医学部に入ると理科からは逃げられない苦手科目を避け、得意な科目で勝負することは、医学部受験をする上で立派な戦術のひとつです。しかし、医学を学ぶ上では理科を避けることはできません。理科なしで医学部に合格したとしても、入学後には、生化学や分子生物学といった高校範囲の理科の延長線上にある学問を勉強する必要がある点は念頭に置いておきましょう。医学部受験の鍵を握るのは入試傾向分析と受験戦略今回の記事では、個別学力試験に理科がない国公立大学医学部についてご紹介しました。個別学力試験に理科が課されないとはいえ、大学によって配点の傾向は異なり、理科が苦手な受験生にとって一概に有利であるとは言えません。「英語と数学の過去問分析が重要」「共通テストの配点比率が非常に高い」など、各大学の配点や傾向をよく確認し、志望校選びや志望校に合った対策を進めていきましょう。スタディカルテLabでは、丁寧なヒアリングをもとに、ひとりひとりの学習状況に合わせて、学習計画の立て方や勉強の進め方などをアドバイスしています。「A大学とB大学どちらを受験するか迷っている」というような志望校選びや進路のご相談も承ります。勉強や受験に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度スタディカルテLabにご相談ください。毎週最大5名様まで、30分の無料学習相談を受付中です。▼ 無料学習相談について、詳細はこちらからまた、スタディカルテLabは現在、新規受講生を募集しています。「苦手科目を克服したい」「志望校に特化した対策で効率的に学習したい」「オンラインでの受験勉強を考えている」という方は、ぜひ一度、体験授業を受講してみてくださいね。▼ 体験授業のお申し込みはこちらから