私立医学部受験者にとって気になる「繰り上げ合格」。「不合格でも、繰り上げ合格の可能性がある」と聞くと、「今の大学に入学手続きをしてしまってもいいのかな?」「まだあきらめなくてもいいのかな?」と迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。本記事では、私立医学部入試における繰り上げ合格の仕組みや定義と、繰り上げ合格者数の多い大学・少ない大学を紹介します。「繰り上げ合格って何?」「どんな医学部が繰り上げ合格を出しやすいの?」という疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてくださいね。「繰り上げ合格」とは?「繰り上げ合格」とは、簡単に言えば「合格者が辞退して欠員が出たときに行われる、追加の合格」のことです。繰り上げ合格の場合は、試験の結果合格が決まっている「正規合格者」が辞退した時、その辞退者の分の穴埋めとして後から合格通知が来ます。「繰り上げ合格」「追加合格」「補欠合格」の違いは?「繰り上げ合格」とは、入学者数に欠員が出た場合に後から出す合格のことです。学校によって「追加合格」と言っていることもありますが、どちらも同じ意味です。「補欠合格」とは、「繰り上げ合格候補者である」という状態のことで、これだけでは合格ではありません。繰り上げ合格になることもあれば、ならないこともあるため過度の期待は禁物です。多くの場合、正規合格と同時に補欠合格も発表されますが、中には補欠合格を本人に通知しない大学もあるので注意しましょう。学校によっては補欠合格と同時に順位やグループ分けが伝えられることもあり、「今どこまで繰り上げ合格が回っているか」「自分はどれくらい繰り上げ合格に期待できるのか」が分かりやすくなっています。なぜ私立大学で繰り上げ合格が出やすい?私立大学で繰り上げ合格が出やすいのは、以下の3点を理由としています。国立大学の方が私立大学より後に合格発表がある国立大学の学費の方が私立大学より安価私立大学は併願が可能私立大学の入試の多くは2月中に合格発表をおこないます。それに対し、国立大学の合格発表が行われるのは3月上旬。学費の安さなどの理由から、私立と国立両方の大学に合格した生徒は、多くの場合国立大学への進学を選びます。また、試験日が同じであるため前期・後期でそれぞれ1校しか受験できない国立大学に対し、私立大学は何校も受験が可能です。複数の大学に合格した場合は、自分の行きたい学校以外を辞退するでしょう。このように私立大学では繰り上げ合格が出やすいのに対し、国立大学では繰り上げ合格が出にくい傾向にあります。私立医学部の繰り上げ合格について以下の特徴がある私立医学部は、繰り上げ合格が出やすい傾向にあります。都心にある大学国公立医学部の受験生が併願しやすい大学都心、特に都内は多くの医学部があるため併願している生徒が多くなり、辞退者が出やすくなります。それに比べて、地方は医学部の数が少なく、辞退者が少なくなりがちです。繰り上げ合格の連絡は電話で来る2月中など早期の場合は速達で来る場合もありますが、繰り上げ合格は電話連絡で来ることがほとんど。知らない電話番号であっても、電話がかかってきたらすぐに出るようにしましょう。また、電話を取った時にはその場で入学の意思があるかどうかを確認されます。補欠合格者になった時は、繰り上げ合格の電話が来たらどうするかを決めておくとよいでしょう。繰り上げ合格の結果がわかるのはいつ?繰り上げ合格の通知が来やすいのは、ずばり「国公立大学の合格発表後」。2024年の場合は、国公立医学部の合格発表日は3/6以降であるため、3月上旬から大きな動きがあると考えられます。国公立前期試験の結果が発表される国公立合格者が併願していた私立上位医学部の入学辞退者が決定し、追加合格の通知が回るその後、私立上位と併願されていた私立下位医学部の辞退者が決定し、追加合格の通知が回るという流れになるため、基本的に私立上位医学部のほうが早く、私立下位医学部は遅めに追加合格が出る傾向にあります。例年、3月の中旬〜下旬に繰り上げ合格が多く回ります。大学によっては4月に入ってから連絡が来ることもありますが、かなり稀なケースでしょう。私立医学部で繰り上げ合格者数が多い大学5つ私立医学部のうち、繰り上げ合格者数を多く出している大学を紹介します。繰り上げ合格者数を非公表としている大学が多く、また今年度も同じように繰り上げ合格が回ってくるとも限りませんが、参考にしてみてください。※ 一般受験での繰り上げ合格者のみをカウントしています※ 非公表などで人数のわからない大学は除外しています参照:河合塾Kei-Net大学検索システム東北医科薬科大学2021年2022年2023年繰り上げ合格者数237236186宮城県仙台市に位置する医学部です。2016年に医学部が設置されたばかりであること、近くに東北大学があることから追加合格者が多い傾向にあるようです。北里大学2021年2022年2023年繰り上げ合格者数275187169北里大学医学部は年によって大きく繰り上げ合格者数が変わる大学で、100人も回らない年も過去には多くありました。しかし、2021年は275人、2022は187人、2023年は169人とここ数年の繰り上げ合格者数は多くなっている傾向です。愛知医科大学2021年2022年2023年繰り上げ合格者数9413789年によって大きく変わりますが、愛知医科大学も比較的繰り上げ合格者数が多めの大学です。このほかに、共通テスト利用(2021年50人、2022年30人、2023年26人)、地域枠、後期試験でも繰り上げ合格を出しています。金沢医科大学2021年2022年2023年繰り上げ合格者数104631082022年は63人と少なかったものの、金沢医科大学も例年100人前後の繰り上げ合格が出ることの多い学校です。日本大学2021年2022年2023年繰り上げ合格者数166136131日本大学も、例年100人以上の繰り上げ合格者を出しています。また、上に挙げた大学以外にも、以下の大学は比較的繰り上げ合格者を出していると考えられます。東京慈恵会医科大学国際医療福祉大学岩手医科大学私立医学部で繰り上げ合格者数が少ない大学5つ私立医学部のうち、繰り上げ合格者数をあまり出していない大学を紹介します。※ 一般受験での追加合格者のみをカウントしています※ 非公表などで人数のわからない大学は除外しています参照:河合塾Kei-Net大学検索システム東海大学2021年2022年2023年繰り上げ合格者数341650東海大学は例年あまり繰り上げ合格者を出さない学校で、ここ10年ほどで100番まで回った例はありません。産業医科大学2021年2022年2023年繰り上げ合格者数321918産業医科大学はその性質上、辞退者がほとんど出ないと考えられます。慶應義塾大学2021年2022年2023年繰り上げ合格者数434427慶應義塾大学は、私立医学部で最も偏差値が高く辞退者が少ないため、例年繰り上げ合格者が少なめです。福岡大学2021年2022年2023年繰り上げ合格者数546516福岡大学も、例年繰り上げ合格者が少なめの学校です。特に2023年は16人と、前年に比べ大きく減少しました。久留米大学2021年2022年2023年繰り上げ合格者数(辞退者含まず)273434久留米大学の繰り上げ合格者数には入学辞退者数が含まれていないため、実際に何人に回っているのかはわかりません。あなたの医学部受験に "参謀"を「苦手科目が不安」「医学部受験に完全に特化した対策をしたい」このような悩み、抱えていませんか?スタディカルテLabでは、毎週5名様限定で無料学習相談を受付中。国公立医学部・私立医学部の受験に精通している学習プランナーが、あなたの勉強方法・受験戦略について一緒に考え、アドバイスをお話します。この機会に是非ご活用ください。スタディカルテLabは、あなたの学力状況と志望校の出題傾向をもとに学習カリキュラムを最適化し、精鋭のプロ講師陣が "参謀" となって全面的に受験勉強をサポート。「学習ロス」を徹底的に削ぎ落とした独自の学習システムで志望校合格へと導く、オンライン個別指導塾です。