難関大学に合格するためには、高校3年間で3000〜4000時間ほどの勉強時間(学校の授業を除く)が必要だと言われています。注意すべきは、この勉強時間のうち約7割は「自習(自学自習)」が占めていることです。難関大学に合格できる学力を身につけるには、授業外での継続的な自己学習が欠かせません。当然ながら、ただ勉強時間が長ければ良いというわけではなく、勉強の質も重要です。とはわかっていても、「ひとりで勉強しているとついサボってしまう…」「いまいち自習の効率が良くならない」と感じている方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、自習における集中力の高め方と、自習環境の選び方をご紹介します。自宅や自習室での学習に悩みを抱えている方は、以下を参考に、今一度自習環境を見直してみてくださいね。そもそも自習(自学自習)とは?そのメリットは?「自習(自学自習)」とは、自分で学ぶこと。指導者などの誰かから何かを教えてもらうのではなく、自身で取り組む学習活動を指します。学校や塾・予備校などの教育機関で授業や指導を受けた後に、個々の学習ニーズや進度に合わせて自習をおこなう形が多く、学んだ知識をさらに深めたり、演習を重ねて定着させたりします。いわゆる「予習・復習」も自習のひとつですね。前述の通り、大学受験において自習は非常に重要度が高く(医学部や難関大学を目指しているのならば、なおさら)、学力向上のためには学校や塾の授業を受けるだけではなく、授業時間外に自分で学習を進めることが不可欠です。自習のメリットのひとつは、自分の理解度に合わせて自分のペースで学習できることです。苦手な単元など、自分が必要とする学習内容に集中的に取り組むことができます。しかし裏を返すと「苦手だからつい避けてしまう」こともできてしまい、これが自習のデメリットであり難しいところです。学習効果の高い自習をおこなうには、自分に必要な学習内容や優先順位を見極め、自己を律して、高い集中力をもって取り組む必要があります。これはけして簡単なことではありません。では、より効率良く・効果的な自習に取り組むためにはどうしたら良いのでしょうか?続いては、自習における時間の使い方の工夫と、学習環境の工夫についてご紹介します。時間を区切って、高い集中力を維持自習の質を向上させるには、集中力を高く保つ必要があります。そのためにまず工夫できるのが、時間の使い方です。ポモドーロ・テクニックを活用しよう時間管理で有名な方法のひとつ、「ポモドーロ・テクニック」をご紹介します。ポモドーロ・テクニックとは、仕事や勉強を効果的に進めるための時間管理法のひとつで、基本的な手順は以下の通りです。目標の設定:まず、達成したい目標を具体的に設定します。例えば、特定の範囲の教科書を読む、問題集を解く、要点をまとめる、などです。ポモドーロの長さを設定:一般的には、[25分の作業+5分の休憩]が1セットとなります。初めて試す場合は、まずは25分からスタートしてみましょう。慣れてきたら、自分に合った長さを設定しても構いません。この設定した時間を、ひとつの「ポモドーロ(イタリア語でトマトを意味する言葉)」と呼びます。集中して作業:設定したポモドーロの時間(例えば25分間)は、ひとつのタスクに集中して取り組みます。雑念を排除し、集中力を最大限に発揮しましょう。5分の休憩:ポモドーロが終わったら、5分間の休憩を取ります。休憩中はリラックスし、気分転換を図ります。ポモドーロの繰り返し:休憩後、再び新しいポモドーロに取り組みます。これを何セットか繰り返します。4セットごとに15〜30分ほどの長い休憩を取ることもおすすめです。進捗の記録:各ポモドーロが終わるたびに、達成した内容や進捗を記録しておくと、自分の努力や成果を可視化しやすくなります。このように時間を区切って勉強し、短い休憩でのリフレッシュを繰り返すことで、高い集中力を維持しやすくなります。ポモドーロ単位で取り組むことで、長時間座りっぱなしで疲れやすい勉強時間を有効に活用できますよ。タイマーアプリを活用しようポモドーロ・テクニックを活用しながら自習の時間割を組み立てたら、タイマーアプリを使って時間を計りながら勉強を進めると良いでしょう。無料の時間管理アプリやポモドーロタイマーアプリがいくつかあるので、使いやすいものを選んでください。まずタイマーに、ポモドーロの時間(25分間)と休憩時間(5分間)を設定します。タイマーをセットしたらすぐに、集中して作業に取り組みましょう。時間内に目標を達成できるよう頑張ってください。タイマーが終了すると休憩時間が始まるので、ストレッチなどをしてリフレッシュします。休憩時間が終わったら再びタイマーをセットし、同じ流れを繰り返します。この方法であれば、タイマーに合わせて学習を進めることができ、着実に自習の時間割を実行することができます。小さな目標の達成が繰り返されるため、モチベーションの向上にもつながるでしょう。ぜひ試してみてください。▼ 自習時に役立つ時間管理アプリの例集中|勉強・仕事のモチベーション目標達成タイマーFocus To-Do: ポモドーロ技術 & タスク管理自分に合った自習環境を選択自習時の集中力を高めるには、学習環境もとても重要です。以下に、自宅で勉強する場合の環境づくり・自宅以外で勉強する場合の環境選びについて解説します。人によって好みの学習環境は異なるので、ご自身に適した場所を選択してください。自宅での学習環境づくり自宅には、気が散る要因がたくさんあります。自宅で自習する場合には、集中して勉強できる環境を上手く整えておきたいところです。その第一歩として、デスクやテーブルを整理する、スマートフォンは離れた場所に置くなど、身の回りを整理整頓することをおすすめします。自宅で勉強する場所の候補としては、以下が挙げられます。自分の部屋個人の空間である自分の部屋は、集中して学習するための良い場所に整えることができます。ドアを閉めることで外部の音を遮断しやすく、静かな環境でリラックスして勉強に取り組むことができるでしょう。また、教材や資料をすぐに取り出せることや、照明や椅子などの環境を自分好みにカスタマイズできることもメリットです。一方で、ゲームや漫画のような誘惑が多いであろうことには注意が必要です。リビングルームリビングは、程良い生活音や家族による監視の目があり、適度な緊張感を持って勉強することができる点が魅力です。また、リビングテーブルが大きい場合は、十分なスペースを確保して教科書やノートを広げることができるでしょう。ただし、家族の声やテレビの音などによって気が散る可能性もあるので気をつけましょう。お風呂お風呂に入っている時は、気分がリラックスすることで集中力と記憶力が高まります。湯船に浸かりながら、短時間でも暗記系の勉強をすることをおすすめします。お風呂専用の単語帳なども販売されているので活用してみてください。くれぐれも長湯には気をつけて、水分補給も忘れないでくださいね。風呂で覚えるシリーズ|「赤本」の教学社 大学過去問題集自宅以外の学習環境選び自宅の外で勉強する場合には、騒音や混雑状況には問題がないか、Wi-Fiや電源が確保できるかなど、事前にしっかりと確認することをおすすめします。自習場所の例を以下にご紹介します。図書館図書館は静かで集中しやすい環境が整っており、勉強に適した場所のひとつです。また、様々なテーマの本や資料が豊富に用意されているため、調べものにも便利です。中には勉強禁止の図書館もあるので、事前にルールを確認しておきましょう。カフェ適度な雑音の中で勉強したい方には、カフェの利用がおすすめです。カフェでは飲み物や軽食を楽しむことができるので、疲れた時には息抜きができます。事前にお店のルールを確認しておくとともに、混雑している時は長居しすぎないように注意するなど、周囲への配慮は忘れずに利用しましょう。塾や予備校の自習室自習室はその名の通り、自習をするための空間です。周りには同じ目的を持った受験生たちが集まっているため、刺激を受けたりモチベーションを保ったりしやすい環境です。普段、塾や予備校に通っていない方の場合は、自習室を利用するために、衛星授業などを1コマだけ受講することもひとつの方法です。有料自習室/コワーキングスペース塾に通っていない方や、オンラインや通信の塾のみを利用している方には、有料自習室やコワーキングスペースの利用をおすすめします。これらの施設には専用デスクや電源などの環境が整えられていて、その多くは月額料金を支払うことで時間や回数の制約なく利用することができます。また、フリードリンクなどのサービスが用意されている場合もあります。ぜひ一度、ご自身に合う近隣施設を探してみてください。自習室.com全国のコワーキングスペース検索【コワーキングハブ】自習内容・自習計画はプロからのアドバイスも取り入れてここまで、自習時の時間の使い方と、学習環境についてご紹介しました。では、自習の内容はどのように決めれば良いのでしょうか?いざ自習しようと思って机に向かっても、やらなければならないのについつい避けてしまったり、自分ひとりでは疑問を解決できないまま時間だけが過ぎてしまったりと、自習内容を適切にコントロールすることは難しいと感じている中高生や受験生は少なくないでしょう。そもそも、志望校合格に向けて、どんな優先順位で何に取り組めば良いのかの見通しを立てることも、簡単ではありません。自分で学習計画を立てて実践することが難しい場合は、プロの力を借りることもひとつの手段です。塾の先生や学習アドバイザーと具体的な学習内容を相談し、可能であれば1週間ごとに進捗をチェックしてもらうことが理想です。学習計画の設定に悩む時間や迷っている時間を削減できれば、取り組むべき自学自習にいっそう時間を充てることができるでしょう。スタディカルテLabでは、丁寧なヒアリングをもとに、ひとりひとりの目標や学習状況に合わせて、学習計画の立て方や優先順位づけ、勉強方法などについてのサポートをおこなっています。勉強や受験に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度スタディカルテLabにご相談ください。毎週最大5名様まで、30分の無料学習相談を受付中です。▼ 無料学習相談について、詳細はこちらからまた、自習で進めるには難しすぎると感じている場合や、自分の苦手科目や弱点が明確な場合には、その科目を専門とする先生に教わるほうが早く解決する場合もあります。スタディカルテLabでは、60分の体験授業が無料です。ぜひ一度、プロ講師によるハイクオリティな指導を、今後の学習にお役立てください。▼ 体験授業のお申し込みはこちらから。お待ちしております!