医学部に入学した人の多くが目指すひとつのゴールは、医師国家試験に合格し、医師免許を取得することでしょう。医学部受験を検討している受験生の中には、入試の難易度だけでなく、大学別の医師国家試験の合格率が気になるという方も多いのではないでしょうか。本記事では、過去5年分の大学別医師国家試験の合格率をランキング形式でご紹介します。医師国家試験の合格率は、大学ごとの教育の質や試験対策の取り組みを知るための重要な指標となります。ランキングをもとに、志望校選びの参考にしてみてください。医師国家試験とはどんな試験?医師国家試験は、医師として働くために必須の資格試験です。この試験に合格しなければ日本の医師免許を取得することができず、日本国内で医師として活動することができません。医師国家試験は、医師の質を確保し患者の安全を守るための、重要な関門とされています。試験は毎年2月上旬に実施され、合格発表は3月中頃におこなわれます。令和6年度の第118回試験は、10336人(新卒:9489人、既卒:847人)が受験し、合格率は92.4%でした。この合格率は、過去10年間で最も高い水準となっています。【試験概要】試験日数:2日間試験時間:2日間合わせて約13時間半問題数:400題内訳:必修問題100題(一般問題50題・臨床実地問題50題)、医学総論150題+医学各論150題(一般問題100題・臨床実地問題200題)出題形式:多肢選択式、マークシート方式最新の試験概要については、厚生労働省が公表する情報や受験願書等を参照してください必修問題の合格基準には絶対評価が用いられており、合格最低ラインは80%とされています。一方、必修問題以外の一般問題と臨床実地問題の合計得点については、平均点と標準偏差を基にした相対評価で合格基準が決定されます。試験の形式や内容は、医療の進歩や社会的ニーズに応じて調整され、時代とともに変化してきました。それにともない、合格基準も変遷してきました。2001年時点では、試験日数は3日間で出題数は500題でしたが、その後、2018年に試験日数が2日間となり、出題数も500題から400題へ変更されました。近年では、多様な出題を目指しコンピュータを使った試験の導入が検討されています。今後は、音声や動画を用いた試験により、紙媒体よりも臨床現場に近い出題が可能になるのではないかといわれています。(参考:医師国家試験出題基準 令和6年版|厚生労働省)医師国家試験 大学別合格率一覧以下の表は、国公立大学・私立大学別に「2020年第114回〜2024年第118回までの平均合格率」および「2024年の合格率」をランク付けしたものです。過去5年間分の合格状況と最新の合格率から、受験を検討している大学はどの程度の合格率かを確認し、志望校選びの参考にしてみてください。(2020〜2024年の「医師国家試験の学校別合格者状況|厚生労働省」をもとに、スタディカルテLabで作成)国公立大学 医師国家試験 合格率ランキング※5年間の平均合格率が高い順に掲載大学名5年間の平均合格率(%)2024年合格率(%)東京医科歯科大学97.295.5横浜市立大学97.197.0秋田大学96.696.3筑波大学96.696.5名古屋市立大学96.698.3浜松医科大学95.894.4千葉大学95.496.5東北大学95.496.4大阪公立大学95.395.3佐賀大学94.995.1岐阜大学94.493.3福井大学94.393.6三重大学93.994.2群馬大学93.997.1香川大学93.892.7福島県立医科大学93.894.8山梨大学93.894.4名古屋大学93.895.6富山大学93.793.0和歌山県立医科大学93.585.8琉球大学93.594.4京都府立医科大学93.494.1信州大学93.492.6滋賀医科大学93.193.5北海道大学92.890.2神戸大学92.794.7札幌医科大学92.595.0新潟大学92.393.7愛媛大学92.391.5徳島大学92.388.1鹿児島大学92.395.6奈良県立医科大学92.190.6山口大学92.090.8大阪大学92.093.2長崎大学91.889.7大分大学91.794.7宮崎大学91.492.2岡山大学91.493.0山形大学91.296.1金沢大学90.891.3東京大学90.591.3旭川医科大学90.189.3高知大学90.088.2熊本大学89.893.3島根大学89.890.4九州大学89.886.0京都大学89.790.2鳥取大学89.591.4弘前大学89.188.3広島大学88.591.5私立大学 医師国家試験 合格率ランキング※5年間の平均合格率が高い順に掲載大学名5年間の平均合格率(%)2024年合格率(%)自治医科大学99.8100.0国際医療福祉大学99.2(過去2年分)99.2順天堂大学98.198.5産業医科大学97.699.0東北医科薬科大学96.9(過去3年分)95.1兵庫医科大学96.899.1日本医科大学96.298.4慶應義塾大学96.095.6藤田医科大学95.996.7北里大学95.596.7東京医科大学95.397.3東京慈恵会医科大学95.191.7昭和大学94.995.3聖マリアンナ医科大学93.896.7大阪医科薬科大学93.895.8近畿大学93.893.4埼玉医科大学93.694.1愛知医科大学93.596.7杏林大学93.294.1獨協医科大学92.794.8関西医科大学92.090.9東邦大学91.392.8川崎医科大学90.690.2日本大学90.294.6東京女子医科大学89.792.1岩手医科大学89.590.0福岡大学88.984.1東海大学86.894.2金沢医科大学84.982.2帝京大学84.892.6久留米大学83.484.9医師国家試験合格率だけではない、医学部選びにおける大切な指標医師国家試験の合格率を確認する時には、各大学の留年率も確認しておくことをおすすめします。医師国家試験の合格率が高いからといって、6年間でスムーズに進級・卒業ができるとは限らないからです。文部科学省が、各大学の最低修業年限での卒業率を公表しているので、気になる大学については目を通しておくと良いでしょう。(参考:各大学の医学部医学科の入学状況及び国家試験結果等|文部科学省)ほかにも、医学部の志望校選びにおいては、立地、入試難易度、出題傾向、学費、再受験寛容度、教育環境などさまざまな指標を考慮する必要があります。以下の記事では、各指標をもとに各大学の医学部を比較しているので、志望校選びの参考にしてみてください。▶︎ 【国公立医学部】最新偏差値ランキング2025年度入試版!偏差値の活用法と志望校選びのポイントを解説▶︎ 【私立医学部】最新偏差値ランキング2025年度入試版!志望校選びのポイントを解説▶︎ 【国公立医学部】共通テストの合格ボーダーランキング(2024年度入試最新版)▶︎ 【国公立医学部】大学入学共通テスト配点比率ランキング▶︎ 既卒生必見!再受験生・多浪生に寛容な国公立医学部とは?医学部受験は志望校選びと受験戦略が重要医学部受験において自分に合った志望校を選ぶためには、上述したようなさまざまな情報を確認し、受験戦略を立てることが重要です。しかし、各教科の配点や出題傾向、医師国家試験の合格率といった情報を自分で調べて最適な医学部を選択するのは、簡単なことではありません。スタディカルテLabでは、医学部受験に精通している学習プランナーが、丁寧なヒアリングをもとに、ひとりひとりの状況に合わせた志望校選定や、志望校別の対策に関するアドバイスをおこなっています。「マーク形式よりも記述問題の方が得点しやすく、数学が得意な場合におすすめの大学は?」「第一志望をA大学医学部に決めたが、配点が特殊で何から対策すればいいかわからない」「30歳での再受験を検討している。同年代の合格者がいる大学を知りたい」など、志望校選びや受験勉強に関するお悩みをお持ちの方は、スタディカルテLabにぜひご相談ください。▼ 無料学習相談について、詳細はこちらからまた、スタディカルテLabでは、60分の体験授業が無料です。医学部合格に向けて具体的に対策を進めていきたい方は、ぜひ一度、プロ講師によるハイクオリティな指導をご体験ください。▼ 体験授業のお申し込みはこちらから。お待ちしております!