国公立医学部受験の第一関門である「大学入学共通テスト」。国公立大学の入学試験は、一次試験である共通テストと、二次試験である個別学力試験との総合評価で決まります。受験生の中には、本番までの限られた時間について、共テ対策と個別試験対策のどちらに力を入れるべきか、迷っている方もいるのではないでしょうか。共通テストと個別試験の配点比率は大学ごとに大きく異なるため、志望校に合わせて対策の比重を変える必要があります。では、同じ国公立医学部の中でも、配点比率にどの程度の差があるのでしょうか?本記事では、国公立医学部の共通テスト配点比率をランキング形式でご紹介します。志望校の配点に合わせた対策をしたい方や、配点傾向をもとに受験校を絞り込みたいと考えている受験生・高校生の参考になれば幸いです。共通テスト配点比率とは共通テスト配点比率とは、国公立大学の入学試験において、一次試験と個別学力試験を合計した全配点のうち、共通テストの配点が占める割合のことです。例えば、共通テストの配点が750点、個別学力試験が600点、面接が100点だった場合、 共通テスト配点比率は 750 ÷(750 + 600 + 100)= 51.7%になります。▼ 配点の例配点から相性の良い受験校を選ぶときに見るべきポイント入試の配点は、志望校を決めるにあたってのひとつの指標になります。自分と相性の良い受験校を選ぶときや、特化した対策を考えるときには、次のポイントに着目しましょう。◆ 共通テスト重視か、個別学力試験重視かまずは、志望校の配点を確認し、共通テストと個別学力試験のどちらが重視されているのかをチェックしましょう。共通テストの配点比率が個別学力試験よりも大きい場合、その大学は共通テストを重視しています。共通テストで点数を稼ぐことができれば、個別学力試験で多少の失敗があったとしても逃げ切れる可能性があります。反対に、共通テストの配点比率が小さい場合、その大学は個別学力試験をより重視しています。共通テストで逃げ切る戦略は使えませんが、共通テストで多少失敗しても、個別学力試験の成績次第では挽回できる可能性が出てきます。◆ 科目別の傾斜配点に特徴はあるか続いて、科目ごとの詳しい配点を確認してみましょう。大学によって重視している科目は異なり、共通テストの理科の配点が1.5倍になったり、国語と社会の配点が圧縮されたりと、傾斜配点が設定されている場合があります。英語については多くの大学では、リスニングよりもリーディングの配点が高く設定されています。例えば、香川大学や島根大学では、共通テストの数学と英語の配点が半分に圧縮されるため、他の国公立医学部と比較して国語と社会の配点が大きくなります。そのため、文系科目が得意な受験生や、文系から理転した受験生におすすめの大学です。▶︎ 香川大学医学部の入試傾向と対策を徹底解説 —論述・自由英作で差がつく—▶︎ 島根大学医学部の入試傾向と対策を徹底解説 —2次は数学と英語だけでの勝負—志望校を選ぶ際には、科目ごとの配点を参考に、自身の得意科目や苦手科目に合わせて絞り込んでいくと良いでしょう。【国公立医学部】共通テスト配点比率ランキング以下の表は、国公立医学部医学科の一般選抜 前期日程における共通テスト配点比率を、比率が高い順にランキング形式にしたものです。ランキング表の大学名からは、各大学の個別学力試験(二次試験)の出題傾向について、詳しい解説を確認できます。科目ごとの詳しい配点や、 気になる大学の傾向を掴むために、ぜひお役立てください。順位大学名共通テスト配点個別学力試験配点共通テスト比率1位徳島大学90040069.2%2位佐賀大学64030068.1%3位奈良県立医科大学90045066.7%4位宮崎大学100060062.5%5位旭川医科大学57035062.0%6位島根大学73046061.3%6位山口大学95060061.3%8位秋田大学60040060.0%9位富山大学100070058.8%9位福井大学100070058.8%11位山形大学95070057.6%12位鳥取大学92070056.8%13位琉球大学100080055.6%14位弘前大学105090053.8%15位滋賀医科大学65060052.0%16位福島県立医科大学70066051.5%17位群馬大学47545051.4%18位鹿児島大学92592050.1%19位香川大学70070050.0%20位高知大学950100048.7%21位札幌医科大学75080048.4%22位三重大学65070048.1%23位大分大学50055047.6%24位和歌山県立医科大学60070046.2%25位信州大学50060045.5%25位京都府立医科大学50060045.5%27位岐阜大学950120044.2%27位神戸大学38048044.2%29位大阪公立大学67590042.9%30位横浜市立大学1000140041.7%30位愛媛大学50070041.7%32位筑波大学950140040.4%32位浜松医科大学47570040.4%32位九州大学47570040.4%35位新潟大学800120040.0%36位長崎大学46580036.8%37位北海道大学30052536.4%38位熊本大学45080036.0%39位広島大学1000180035.7%40位名古屋大学950180034.5%41位東京科学大学18036033.3%41位名古屋市立大学600120033.3%41位岡山大学550110033.3%44位千葉大学475100032.2%45位金沢大学950210031.1%46位山梨大学1000230030.3%47位大阪大学500150025.0%48位京都大学275100021.6%49位東北大学550220020.0%49位東京大学11044020.0%共通テスト配点比率が高い大学共通テスト配点比率が高い、ランキング上位の大学を見てみると、国公立医学部の中では相対的に偏差値が低めの地方国公立大学が目立ちます。これらの大学では、共通テストで高得点を獲得してボーダーを超えることができれば、逃げ切れる可能性が高いです。志望校の共通テスト配点比率が高い場合、最初から共通テストで高得点を取る方針で受験戦略を立て、学習を進めるのもひとつの手です。共通テストの配点比率が高いとはいえ、個別学力試験の出題傾向を掴むことも重要です。地方国公立大学の個別学力試験では、学部共通問題ではなく医学部独自問題が出題される場合もあり、難易度は大学によって大きく異なります。大学別のページで各教科の詳しい分析を確認できるので、ぜひ参考にしてください。▶︎ 徳島大学医学部の入試傾向と対策を徹底解説 —共通テストの配点比率トップクラス—▶︎ 佐賀大学医学部の入試傾向と対策を徹底解説 —共通テスト重視・個別学力試験は易しめ—共通テスト配点比率が低い大学共通テスト配点比率が低い大学には、東京大学を筆頭に、国公立医学部の中でも特に偏差値が高い大学が並んでいることがわかります。これらの大学では、共通テストで多少失敗しても、足切りラインさえクリアできれば、個別学力試験で挽回の可能性があると言えます。ただし、これらの大学にはレベルの高い受験生たちが集まること、個別学力試験ではハイレベルな思考力や情報処理力などを求められる場合が多いことから、「共通テストで失敗したから」という理由だけで受験校を選ぶことは避けましょう。独特な出題傾向をもつ大学もあるため、しっかりと過去問研究をおこない、個別学力試験対策には特に力を入れて取り組みましょう。個別学力試験の傾向と対策方法は、各大学の解説ページでご確認ください。▶︎ 東京大学理科三類の入試傾向と対策を徹底解説 —名実ともに日本最難関入試。合格の鍵は東大過去問の研究—▶︎ 京都大学医学部の入試傾向と対策を徹底解説 —最難関レベルの入試難易度。各科目で京大に特化した対策が必須—▶︎ 東北大学医学部の入試傾向と対策を徹底解説 —2次試験の配点比率高く逆転も可能。実力差が出る出題で特化した対策が重要—医学部受験は「志望校選定」と「優先順位」が重要本記事では、国公立医学部の共通テスト配点比率について、ランキング形式でご紹介しました。大学によって配点比率や個別学力試験の科目、出題傾向などはそれぞれ異なるので、自身の学力や得意科目に合わせた志望校選びが重要です。各大学の配点や傾向を総合的に分析して受験校を決定し、学習内容の優先順位をつけた上で、志望校に特化した対策を進めていきましょう。受験本番は目前!志望校合格に近づくために「配点比率の高い苦手科目に特化して対策したい」「過去問の論述問題や英作文問題について、信頼できるプロの講師に添削指導をお願いしたい」「過去問から志望校の出題傾向は掴めたが、残りの限られた時間でどう勉強を進めるべきかわからない」このような悩み、抱えていませんか?スタディカルテLabでは、毎週5名様限定で無料学習相談を受付中。国公立医学部・私立医学部の受験に精通している、経験と実績が豊富なプロの学習プランナーが、あなたの勉強方法や受験戦略について一緒に考え、アドバイスをお伝えします。この機会にぜひご活用ください。▼ 無料学習相談について、詳細はこちらからまた、現在「スタディカルテIntelligence」のLINE登録者に、受験に役立つシートを無料プレゼントしています。あわせて、3分で国公立医学部入試との相性が確認できる『志望校相性診断』も、ぜひご活用ください。