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医学部受験では、国公立・私立を問わず、試験日程や受験科目、配点、募集人数などが毎年細かく変更されています。また、国公立医学部と私立医学部では、求められる学力や選抜方法が大きく異なるため、志望校選びの段階から戦略的な準備が不可欠です。
本記事では、2026年度の医学部入試における主な変更点を中心に、国公立・私立医学部の募集人員・受験科目・配点などの最新情報をわかりやすく解説します。
2026年度の医学部受験を予定している高校生や受験生、保護者の方にとって、志望校決定や併願校選びの参考になれば幸いです。

2026年度の医学部入試では、国公立・私立を問わず、複数の大学で入試形式に大きな変更が見られます。
特に、選抜方式の変更や配点の見直し、出願条件の改定などは、受験戦略に直結する非常に重要なポイントです。「これまでと同じ方式だろう」と思い込んだまま対策を進めてしまうと、準備が不十分のまま入試本番を迎えるという事態になりかねません。早めの情報収集が合否を左右するので、志望校や併願校の情報はこまめに確認するよう心がけましょう。
以下では、2026年度の医学部入試で、複数の大学に共通して見られる3つの傾向をご紹介します。いずれも受験生にとって影響が大きく、受験戦略に関わるポイントです。
本記事では、2025年6月時点で判明している変更点を中心に紹介しています。今後、情報が更新される可能性もあるので、出願前には必ず各大学の公式HPや最新の募集要項を確認してください。国公立医学部の一般選抜において、後期試験を廃止し、前期試験や総合型選抜などに定員を集中させる動きが広がっています。
主な大学: 旭川医科大学、山形大学 など
受験生への影響: 一般選抜で国公立医学部を受験できるチャンスが実質的に1回になる受験生が増えるので、国公立志望の場合は、これまで以上に前期試験で確実に合格する学力が求められます。
複数の大学で、地域医療に貢献する人材の確保に向けた取り組みが加速しており、地域枠選抜における出願条件の緩和や、募集人数の大幅な増加などが見られます。
主な大学:札幌医科大学、千葉大学、長崎大学 など
受験生への影響:従来の条件では地域枠に挑むのが難しかった受験生にとっては、医学部合格の可能性が広がると言えます。
推薦入試や総合型選抜を導入する大学が増え、また、選抜時期の早期化も見られます。
主な大学: 札幌医科大学 (推薦入試の実施時期が、2月→11月へ前倒し)
受験生への影響: 選抜時期が早まることで、これまでより早い段階から小論文や面接、志望理由書の対策を始める必要が出てきます。一般選抜対策との両立も重要になってくるでしょう。
以下では、2026年度の私立医学部の入試変更点を紹介します。受験を検討している大学や、併願校として候補にあげている大学については、しっかりと最新情報をキャッチしておきましょう。
慶應義塾大学では、2026年度入試より一般選抜枠の見直しがおこなわれ、従来の一般選抜66名から、一般枠65名・栃木県地域枠1名に再編されることが発表されました。栃木県地域枠(専願)は、栃木県の医療体制を支える人材を確保する目的で新設された枠で、概要は以下のとおりです。
▼ 栃木県地域枠
募集人員:1名
対象者:栃木県内の高等学校を卒業した者、または栃木県に在住している者等
卒業後の義務:栃木県内で9年間の就業義務あり
参考:慶應義塾大学医学部栃木県地域枠の設置について|慶應義塾大学 医学部
自治医科大学では、2026年度入試より地域枠において新たに総合型選抜および学校推薦型選抜を導入することが発表されました。対象は富山県・山梨県・山口県・佐賀県の4県で、それぞれ地域医療に貢献する意欲を持つ受験生に対して選抜がおこなわれます。概要は以下のとおりです。
▼ 学校推薦型選抜・総合型選抜
募集人員
・富山県:学校推薦型(公募)1名、総合型1名
・山梨県:総合型2名
・山口県:総合型2名
・佐賀県:総合型2名
選抜方法:書類、面接、適性検査(数学・英語)
日程(予定)
・総合型選抜:10月中旬 出願開始予定
・学校推薦型選抜:11月上旬 出願開始予定
・適性検査・面接等:11月中旬 実施予定
参考:[医学部]令和8年度入試からの年内入試導入について|自治医科大学
昭和大学では、2026年度入試より新たに学校推薦型選抜が導入されます。対象は現役生限定で、専願制での募集です。概要は以下のとおりです。
▼ 学校推薦型選抜
募集人員:10名(予定)
対象:現役生のみ
選抜方法:学力試験、小論文試験、面接試験
参考:【予告】医学部における新たな入試区分について(令和8年度(2026年度)入試より)|昭和医科大学 受験生サイト
東邦大学では、2026年度入試において複数の変更がおこなわれます。
① 募集人員の変更
推薦入試(付属校制):25名から20名に減少
一般入試:67名から70名に増加
統一入試:3名から5名に増加
② 配点の見直し
一般入試における配点バランスが見直され、従来の「英語>数学>理科」という数学偏重スタイルから、「英語>数学=理科」という配点体系へと変更されます。これにより、英語の重要性が一層高まります。
③ 試験時間の変更
数学の試験時間が90分から80分に短縮されるため、時間配分に注意が必要です。
④ 統一入試の二次試験科目の廃止
統一入試の二次試験における数学・理科が廃止されます。
参考:入試情報|東邦大学
東海大学医学部では、2026年度入試より「希望の星育成」選抜の第一次選考が書類審査へと変更されます。これまでは、一次選考に筆記試験などが含まれていました。
東京女子医科大学では、2026年度入試において2つの変更が発表されています。
① 卒業生子女推薦入試が廃止
今後は他の選抜方式に一本化されます。
② 学校推薦型選抜(一般推薦)の募集人員が増加
33名から43名へと増員され、より多くの現役生が推薦入試での合格を目指せるようになります。
参考:医学部学校推薦型選抜の「卒業生子女」推薦入試の廃止について|東京女子医科大学 受験生サイト
藤田医科大学では、優秀な人材の確保に向けて、2026年度から医学部の学費が約30%(約828万円)引き下げられます。入学金と授業料を合わせた6年間の学費の総額は、現行の2980万円から2152万円になります。
参考:研究大学を支える優秀な人材確保に向け、医学部の学費30%値下げ|藤田医科大学
関西医科大学では、2026年度入試において、地域枠制度である「特別枠学校推薦型選抜試験」に大きな変更が加えられました。
① 従事義務期間が「10年」→「5年」に短縮
2025年度までは、卒業後に10年間の地域医療従事が求められていました。しかし、2026年度からは従事期間が5年に短縮され、より柔軟なキャリア設計が可能になります。
② 医師不足地域での勤務が撤廃され、診療科のみの指定に
2026年度からは地域の制限がなくなり、「医師不足診療科(産婦人科・救急医学科・外科・麻酔科・内科・小児科)」での勤務が条件となります。あわせて、必要な勤務年数も10年から3年に短縮され、負担が大きく軽減されました。詳細は、下記URLを参照してください。
③ 臨床研修の選択肢が拡大
臨床研修先について、これまで関西医科大学付属病院のみが指定されていましたが、2026年度からは近畿2府4県の指定研修病院も選択可能になります。多様な臨床環境を経験できるようになった点も見逃せません。
④ 学業成績の算定基準が明確に
2学期制・3学期制問わず「第3学年1学期」までの成績に基づいて候補者が選定される仕組みが明確になりました。
参考:令和8年度(令和年4月入学)入学者選抜における変更について(予告)|関西医科大学 医学部
兵庫医科大学では、2026年度入試から新たに「エキスパート養成入試」を実施することを発表しました。これは、外科および救急医療分野の専門医を志す受験生を対象とした総合型選抜で、意欲と適性を重視した新たな選抜方式です。
専門性の高い育成プログラムとキャリア支援が提供されるので、明確なビジョンを持つ受験生にとって、大きなチャンスとなりそうです。概要は以下のとおりです。
▼ エキスパート養成入試
募集人員:3名以内
現役・浪人の制限:制限無し
選抜方法:学科試験、小論文、プレゼンテーション試験、個人面接、志望理由書、調査書、活動報告書
条件:医療従事者の推薦
奨学金:あり(年間285万円、6年間総額1710万円)
就業義務:卒業後、指定領域で5年間の勤務義務あり
参考:【医学部】2026年度エキスパート養成入試|兵庫医科大学 受験生サイト

以下では、2026年度の国公立医学部の入試変更点を紹介します。入試日程の前倒しや、理科科目に関する変更点などが散見されるので、最新情報をもとに学習計画を立てるのがおすすめです。
北海道大学は、2026年度一般選抜において、共通テストの「情報」に15点の配点を設ける方針を発表しました。2025年度では「情報」の受験は必須でしたが、配点はありませんでした。
参考:令和8(2026)年度入学者選抜(一般選抜)における実施教科・科目等の予告について|北海道大学
札幌医科大学では、2026年度入試において3つの変更が発表されました。
① 「道民枠」の新設
総合型選抜において新たに「道民枠(20人)」が設立されます。これは、北海道内出身者を対象にした選抜方式で、卒業後は所定のプログラムに従事する必要があります。
② 名称変更
学校推薦型選抜で実施されてきた「先進研修連携枠(ATOP-M)」枠が、2026年度より「札医大卒後研修枠」へと名称変更されます。
③ 推薦入試実施時期の前倒し
2026年度入試より推薦入試の実施時期が大幅に前倒しされ、従来の2月上旬から11月下旬へと変更されます。この変更は、他大学の推薦・総合型選抜の実施時期に合わせた対応と見られ、より早い段階での進路決定が可能となります。
参考:入学者選抜の変更等のお知らせ|札幌医科大学 医療人育成センター
旭川医科大学は、2026年度入試において後期日程の募集を廃止し、前期日程の募集人員を40名から48名へ増員すると発表しました。また、2027年度入試からは個別学力試験に理科が導入され、物理・化学・生物から2科目選択する必要があります。
参考:令和8年度(2026年度)及び令和9年度(2027年度)入学者選抜の変更について(予告)|旭川医科大学 受験生サイト
山形大学は、2026年度入試から医学部医学科の後期日程を廃止すると発表しました。これに伴い、後期日程で確保されていた募集人員は以下のように各選抜枠に配分されます。
学校推薦型選抜(一般枠):25名 → 30名
学校推薦型選抜(地域枠):5名 → 10名
一般選抜(前期・一般枠):60名 → 65名
さらに、募集人員の増加に合わせて、学校推薦型選抜Ⅱ(地域枠)の出願資格も緩和され、これまでの「現役生のみ」から「一浪生まで」出願が可能になります。
弘前大学は、2026年度入試において総合型選抜Ⅱで実施する「ケーススタディ」の選抜方法および評価方法を変更する予定であると発表しています。
選抜方法
「与えられたシナリオ及び資料を読み、自身の考えを論述させる。」
↓
「与えられた資料を読み、自身の考えを論述させる。また、考えを導く過程で資料の解析及び分析をさせる。」
評価方法
「読解力,日本語の文章力,論理的な表現力をとおして、『学力』を評価します。」
↓
「考えを導くために必須の読解力、計算力、分析力を前提とした論理的思考能力及び表現力を通じて、『学力』を総合的に評価します。」
参考:令和8(2026)年度総合型選抜Ⅱにおける医学部医学科の選抜方法一部変更について(予告) について掲載しました|弘前大学 入試情報
筑波大学では、2026年度入試(前期日程)において、大学入学共通テスト「情報」の配点方式を変更します。
従来の方式:「情報=75点+実際の得点×0.25」
2026年度から:「情報=50点+実際の得点×0.5」
昨年度より情報Ⅰの実得点が最終得点により大きく影響する配点構成となり、受験生の情報科目に対する対策の重要度がさらに増すことになります。
参考:大学入学共通テスト「情報」の負担軽減にかかる経過措置について|筑波大学
千葉大学は、2026年度入試から「千葉県地域枠」による学校推薦型選抜を新たに導入すると発表しました。これは、千葉県内の医師確保を目的とした枠で、募集人員は2名です(今後増員の可能性があります)。
これに伴い、従来の一般選抜(前期日程)の千葉県地域枠5名は、「推薦入試2名+一般選抜3名」に再編されます。概要は以下のとおりです。
▼ 学校推薦型選抜・千葉県地域枠
出願資格
・2026年3月に卒業見込みの高校生(浪人生は1年以内まで)
・千葉県内の高等学校等からの推薦が得られる者
・調査書の成績が概ねA段階であること
進学後の条件
・千葉大学医学部に必ず進学する意思があること
・千葉県医師修学資金の貸与を受ける予定であること
・千葉県の医師不足地域に一定期間勤務する強い意志があること
選抜方法
・第1次選抜:書類審査、小論文、面接
・第2次選抜:面接試験
・最終選抜:共通テストの得点による総合評価
信州大学では、2026年度入試(一般選抜)において、数学Bの出題範囲に「統計的な推測」が新たに追加される予定です。「統計的な推測」は、新学習指導要領に対応した内容であり、今後多くの大学でも導入が進むことが予想されます。
京都府立医科大学では、2026年度入試において、「医学科学校推薦型選抜(全国一般枠)」を新たに設置すると発表しました。この枠は、地域枠に該当しない受験生にも門戸を開く形での公募型選抜であり、より多様な背景を持つ受験生に対応した制度となっています。概要は以下のとおりです。
▼ 医学科学校推薦型選抜(全国一般枠)
募集人員:5名以内
対象者
・高卒2年以内
・調査書で学力がA段階に該当し、学力・人物ともに優秀な者
・将来、医学の分野でリーダーとして国内外に貢献する意志がある者
・2026年度共通テストで、指定の6教科8科目を受験する者
・合格後に必ず入学する意思がある者
選抜方法
・第1段階選抜:共通テストの得点により判定
・第2段階選抜:共通テストの成績や、面接試験・グループディスカッションなどを総合的に評価
参考:令和8年度医学部医学科学校推薦型選抜における新たな選抜方法の概要等について(予告)|京都府立医科大学
奈良県立医科大学では、2026年度入試において、後期試験の第一段階選抜(いわゆる足切り)の倍率基準が、従来の14倍から12倍へと緩和されます。この変更により、後期試験への挑戦がややしやすくなると考えられます。ただし、依然として高倍率であることに変わりはないので、出願戦略や共通テスト対策には引き続き高いレベルが求められます。
広島大学は、2026年度入試より、推薦Ⅱ「ふるさと枠」の出願資格として「広島県地域医療セミナーの修了」が必須条件となることを発表しました。「広島県地域医療セミナー」は、ふるさと枠制度と広島県の地域医療の実情について学ぶ内容で、地元医療への理解と覚悟を深めた上で出願することが期待されているといえます。
岡山大学では、一般前期試験の英検成績の活用方法について、CEFR相当レベルがC1またはC1の場合「共通テストと個別試験いずれも満点」という制度が採用されていましたが、2026年度からは「共通テスト英語のみを満点とみなす」形式に変更されます。
長崎大学では、2026年度入試において、推薦・一般選抜ともに複数の重要な変更がおこなわれます。
① 募集人員の変更
推薦ⅡA(長崎県医療枠):15名から25名へ増加
一般選抜(前期日程):76名から66名に減少
これにより、地域医療に貢献する意欲ある受験生への門戸がより広がる形となる一方で、前期試験の競争率が高まる可能性もあるため注意が必要です。
② 出願要件の見直し
学校推薦型選抜ⅡA(長崎医療枠)およびⅡB(地域医療特別枠)における出願条件について、次のように見直されました。
出願可能な浪人年数が「1浪まで」から「2浪まで」に緩和
出身校からの推薦人数の上限が撤廃
これにより、より多様な背景を持つ受験生が推薦入試にチャレンジできるようになります。
③ 配点の変更
一般前期入試:面接の配点が60点から150点に変更
学校推薦型選抜ⅡD(研究医枠):英語による面接(100点)が廃止され、面接の配点が120点から240点に変更
佐賀大学では、2026年度入試において、複数の変更が発表されました。
① 一般選抜における共通テスト理科指定科目の変更
従来の「物理・化学の2科目」指定から、「物理・化学・生物の中から2科目を選択」する方式に変更されました。これにより、得意分野や履修状況に応じた科目選択が可能となり、戦略的に得点を狙うことができます。
② 一般選抜における英検利用の要件緩和
英検2級以上から利用可能となりました。英語が得意な受験生にとって有利な制度変更です。
③ 募集人員の変更
一般選抜(前期):50名から51名に増加
一般選抜(後期):廃止
推薦入試(長崎県枠):廃止
推薦入試(一般枠):20名から18名に減少
推薦入試(佐賀県枠):臨時定員3名増
④ 学校推薦型選抜Ⅱ(一般枠)の出願要件の緩和
これまでの「現役生のみ」から、「一浪生も出願可」に変更され、より多くの受験生が対象となります。
熊本大学は、2026年度入試(一般前期)において、大学入学共通テストの「数学」の配点を50点から100点に引き上げることを発表しました。この変更により、共通テストにおける数学の比重が高まるため、受験生にはこれまで以上に数学で得点を伸ばすことが求められます。

本記事では、国公立・私立医学部における2026年度入試の主な変更点をご紹介しました。
医学部入試では、形式や方針が年々見直されているため、「どれだけ早く正確に情報を把握できるか」が合否を左右します。出願条件の変更、配点の見直し、試験日程の前倒しなどさまざまな変更がおこなわれる中で、最新情報に基づいて戦略的な受験計画を立てることが、志望校合格への第一歩と言えるでしょう。
なお、国公立・私立医学部の選び方や比較のポイントについては、以下の記事でも詳しく解説しています。これから本格的に志望校を絞り込む方は、ぜひあわせて参考にしてみてください。
▶︎ 【私立医学部】最新偏差値ランキング2025年度入試版!志望校選びのポイントを解説
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