例年、50万人近くが受験する大学入学共通テスト。センター試験から切り替わってまだ年数が浅いこともあり、「どうやって対策したらいいのだろう」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。今回は【英語リーディング】にフォーカスして、「2022年度の共通テストはどうだったか」「2023年度の共通テストはどのような対策が必要か」を医学部・難関大受験生向けに解説します。ぜひ、これからの共通テスト対策の参考にしてみてください。▶︎ 共通テスト【英語リスニング】攻略のポイントはこちら▶︎ 共通テスト【数学】攻略のポイントはこちらセンター試験と共通テストの違い共通テストの英語リーディングは、センター試験と比べて何が変わったのでしょうか?まず特徴的な点として、共通テストでは、実際のコミュニケーションにおいて活用するための英語力を評価することを目的として、センター試験で出題されていた「発音、アクセント、語句整序」は出題されません。(参考: 大学入試センター「令和5年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト出題教科・科目の出題方法等」)また、センター試験では、題材となる資料の形式に毎年あまり変化がありませんでしたが、共通テストではさまざまな資料形式の問題が出されています。例えば、2022年度の第2問Aでは大学図書館のポスターを読み取り正しい選択肢の組み合わせを選ぶ問題、第4問では2つのブログ記事から家電の購入場所を比較検討する問題が出題されるなど、これまであまり見られなかったタイプの問題が出題されています。さらには、イギリス英語特有の表現が用いられたり、設問の指示文も英語に変更されたりといった変化もありました。今後も形式や傾向にとらわれずリーディングの実力を付けることが求められそうです。2022年度の共通テスト英語を振り返る医学部や難関大を目指す受験生にとって、共通テストのリーディングは不可欠な科目です。2023年度本番に向けて、まずは2022年度の特徴や注意点を掴みましょう。2022年度の共通テスト英語リーディングの平均は61.80点と、2021年度の平均58.80点から若干上昇しました。その主な要因として、後述する「複雑な構成の問題」が減ったことが考えられます。以下、2022年度の英語リーディングについて、① 文章量・総語数の増加② 複雑な設問の減少の2つの観点から解説していきます。① 文章量・総語数の増加共通テストの大きな特徴として、文章量と総語数の増加があります。2022年度の共通テストでは、2021年度と比べ、総語数は200語増加しました。センター試験と比べると1200語以上増加しており(参考:2022年度「教育研究団体の意見・評価」)、全体として文章量は大幅な増加傾向にあります。したがって、丁寧な読解力に加え、限られた時間内で素早く内容を読解する能力が求められていると言えるでしょう。② 複雑な設問の減少一方、2021年度と比べて、複雑な設定の設問が減少し、解きやすくなった面も見受けられました。主なものとして、第2問で、fact(事実)かopinion(意見)かを問う問題が、4問から1問に減少した第4問で、情報を読み取る資料が4点から2点に減少し、問題の複雑さが和らいだ第5問・第6問Aの資料が、前年度のようなプレゼンテーション用のスライドやポスターの形式ではなく、ノート形式の箇条書きになり、若干読み取りやすいレイアウトなったなどが挙げられ、これらが平均点の上昇につながった可能性があります。受験生によっては「易化した」と感じた人もいたかもしれません。①・②を踏まえると、文章量が増加したために読解時間が長くなった一方で、設問が少し易しくなったので、平均点は若干上昇したと言えそうです。2023年度の傾向予想それでは、2023年度の共通テストに向けて、秋以降は具体的にどのような対策をすればいいのでしょうか?出題傾向予想近年増加傾向にある英文量は、今後も増加するか、少なくとも同程度の量となる可能性が高いでしょう。2022年度の共通テストにおける英文量の増加について、大学入試センターは「情報を短時間で把握する」「一定のスピードが必要」と、スピードの重要性を強調しています。情報量が膨大な現代を生き抜く力として、情報を素早く精査し処理する力は今後も引き続き求められるであろうことから、ある程度の英文量は今後も出題されると考えられます。設問を先に読み、該当箇所を意識しながら文章を読み進めるなど、効率の良い解き方を身につける必要がありそうです。また、大学入試センターは、「様々なタイプの英文」に慣れること、「目的や場面に応じた問いかけ」に柔軟に対応できることを受験生に求めています。これは、グローバル社会において、より実践的な英語力が必要とされることを想定しての要求と考えられます。日頃から広告や新聞、webサイトといった様々な媒体を通して英語に触れることを意識してみると良いかもしれません。目標点数2018〜2020年のセンター試験の平均点数は概ね58〜61点の推移で、2021・2022年の平均点数と大きな差はありません。そのため、問題形式の変化はあったものの、共通テストでもセンター試験の時と同じ程度に得点しておく必要があるでしょう。これまでのように、国公立医学部であれば95%は確保、その他の難関大でも85-90%程度が引き続き必要となると予想されます。秋以降はどう対策する?それぞれの学習状況によって必要な対策は異なりますが、以下4つのポイントに沿って今後の対策を進めることをおすすめします。① 要約系の設問に慣れる共通テストでは、本文の要約を意識した問題が多く設けられています。(例:2022年度の第2問B)要約問題は内容一致問題とは異なり、「同じような文言があれば正解だろう」と単純に考えると、誤りの選択肢を選んでしまいがちです。部分的な文言の一致・不一致に釣られず、本文全体の意見や、登場人物の本音を適切に反映しているかどうかを確かめましょう。文章にタイトルを付ける問題も同じ考え方で解くことができます。② 文法は「読む」ための最低限度で共通テストのリーディングでは純粋な文法問題は出題されないため、文法対策の重要性は相対的に低くなっています。共通テスト・国公立2次試験を中心とするのなら、「NEXTSTAGE」や「UPGRADE」などの参考書を網羅的に勉強するのは非効率でしょう。関係代名詞を例に挙げると、主格・目的格・所有格の識別は長文読解に必要ですが、「関係副詞」や「複合関係詞」はほぼ登場しません。従って、「文章を正しく読める」ことを意識した、メリハリのある学習が効果的といえるでしょう。上にも述べた通り、長い文章から素早く適切に内容を読み取る能力が重視されます。③ まずは過去問研究、予備校の予想問題集を活用する最も有効な共通テスト勉強法は、やはり過去問を解くことです。過去問は2021年度(本・追)、2022年度(本・追再)の4回分あります。ただし、共通テストは過去問の数が少ないので、量を補うために駿台・河合塾などが出版している「予想問題集」も活用しましょう。本番までに、問題の雰囲気や時間配分を掴むことが高得点へのカギになります。④ 余裕があればTOEICの問題集を解いてみる共通テストの第2問〜第5問は図表やイラスト、案内文を用いており、TOEICの問題に似た構成になっています。中学・高校では英検が広く普及しているため受験経験がない人も多いかもしれませんが、さまざまな形式の問題文を処理する良い練習になります。余裕がある受験生は一度TOEICの問題にもチャレンジしてみると良いでしょう。秋以降の勉強に迷ったらスタディカルテLabに相談を!いかがでしたか?秋以降の共通テスト対策で大切なのは、試験時間内に目標点を取るためにはどのような学習が必要か?を明確にすることです。勉強の優先順位づけなど、具体的な学習方法について学習プランナーに相談したい方は、LINEからご相談内容をご連絡ください。▶︎ 共通テスト【英語リスニング】攻略のポイントはこちら▶︎ 共通テスト【数学】攻略のポイントはこちらプロの添削が受けられる、「特別対策パック」で万全に!さらに現在、スタディカルテLabでは、共通テストに特化した全4回の「特別対策パック」の受講を受付中!(2022年12月末まで)共通テストの過去問や予想問題集について、ひとりひとりの答案を見ながらプロの視点で分析し、学習課題のあぶり出し、受験本番までの学習計画や勉強方法など、全4回で解説・アドバイスします。特別対策パックの詳細はこちらから。「新傾向の対策をしてもらいたい」「問題は解けるけど、スピードが足りなくて困っている」「過去問演習は進めているけど、この後どう分析して対策すればいいかが自分では分からない」……そんなあなたからの、スタディカルテLabへのご相談をお待ちしております。※ 共通テストだけでなく、志望校の過去問(赤本 / 青本)に特化しての指導も可能ですので、遠慮なくご相談ください。