今回は【英語リスニング】にフォーカスして、「2022年度の共通テストはどうだったか」「2023年度の共通テストはどのような対策が必要か」を医学部・難関大受験生向けに解説します。ぜひ、これからの共通テスト対策の参考にしてみてください。▶︎ 共通テスト【英語リーディング】攻略のポイントはこちら▶︎ 共通テスト【数学】攻略のポイントはこちらセンター試験と共通テストの違い共通テストの英語リスニングは、センター試験から何が変わったのでしょうか?大きな違いは、リーディングとリスニングの配点比が4:1から、1:1に変更されていることです。これは、4技能(「聞く(リスニング)」「話す(スピーキング)」「読む(リーディング)」「書く(ライティング)」)のバランスの良い育成を求める、英語教育改革の1つの流れです。また、その他の違いとして① 1回読みの大幅な導入② レジュメ形式の問題の導入(第5問)③ 複数人での議論で各自の立場を整理する問題(第6問B)④ アメリカ英語以外の話者の登場などが挙げられます。①は聴き取り機会の減少、②③は問題の複雑さを高めており、全体としてセンター試験から難度は大きく上昇したと考えられます。2022年度の共通テスト英語を振り返る2022年度の英語リスニングの平均は 59.45点と、2021年度の平均 56.16点から若干上昇しました。要因としては、第6問の音声の速度が2021年度よりも若干遅くなり、聴き取りやすくなったことが影響した可能性があります。また、出題形式は2021年度と大きな差はなく、第3問・第4問、第5問・第6問と段階的に問題が難しくなる傾向にありましたが、第4問Aの内容は大幅に易しくなり、受験生にとっては正答しやすかったかもしれません。2023年度の傾向予想それでは、2022年度の大問ごとの詳細を確認しつつ、今後の傾向や目標点数について見ていきましょう。出題傾向予想全体としては、英語の4技能を意識して、講義や複数人による議論といった様々な場面での出題が今後も続くでしょう。また、これまでと同様に試験の後半に進むにつれて段階的に問題が難しくなる傾向も予想されます。参考として、正答率の低かった2022年度の第5問・第6問は、複雑な問題構成の上、受験生にとってなじみの薄い話題(※)を扱った問題でした。※ 2022年度の第5問は、「ギグワーク」(Gig+workの造語。時間や場所にとらわれない新しい働き方のこと。)に関する話題が取り上げられました。これらの設問に関して、大学入試センターの自己評価書によると、総合点が高い受験者は正答率が高く、総合点が低い受験者は正答率が低い結果であったと報告されています。大学入試センターとしては、第5問・第6問は聴き取り能力の高い生徒とそうでない生徒を判別するのに有効だと評価しているようです。つまり、後半の設問は今後も、複雑な問題構成かつ、受験生になじみの薄い話題といった出題が続くことが予想されます。目標点数国公立医学部で90%台前半、その他難関大で85%以上が目標ラインになると予想されます。まず、第4問までは、第4問Aの2問目(表を埋める問題)以外は理解しやすい問題が多いので、医学部や難関大を目指す受験生は失点できません。また、第6問のAも問題形式が単純なので正答しやすい問題と言えるでしょう。第5問は正答率が低いと予想される難問ですが、配点の大きな後半の問題で失点を減らすことが重要です。過去2回の平均点が55-59点台を推移していることもふまえると、国公立医学部で90%台前半、その他難関大で85%以上を目標点数としたいところです。秋以降はどう対策する?では、2023年度の共通テストに向けて、具体的にどのような対策をすればいいのでしょうか?それぞれの学習状況によって必要な対策は異なりますが、以下3つのポイントに沿って日々のリスニング対策を進めることをおすすめします。① 大問3以降は、必ず先読みをしておく第3問以降は、読み上げ音声が1回のみの問題です。特に、第5問は事前に問題資料と選択肢の両方に目を通しておく必要があり、「状況と問いを読む時間」の間で整理しきるのは難しい可能性があります。また、第3問や、第4問Aの2問目なども、音声が流れる前に状況を把握しておかなければ、何を聴き取らなければならないか判断するのが難しくなってしまいます。従って、音声が2回流れる第1問・第2問を1回目の音声のみで解き、残った時間を第3問以降の設問の先読みに回すことが有効でしょう。なお、大学入試センターによると、「全ての問題を1回読みにする可能性についても今後検証しつつ、当面は1回読みと2回読みの両方の問題を含む構成で実施することとする。 」といわれています。② 間接的な言及に注意問題の答えそのものが読み上げられると、問題が簡単になりすぎてしまうため、間接的な表現が正解の根拠となるパターンの問題が出されることにも注意しましょう。このようなパターンの問題は、流れている音声とほぼ同じ語句を用いたひっかけの選択肢が用意されていることが多いので、注意が必要です。特に、選択肢がシンプルな問題こそ、間接的な言い回しをされることが多いです。「間接的に述べられるかもしれない」ということも念頭において、聴き取れた単語だけで安易に判断することのないように気をつけましょう。③ ヒントの予測を立てる「先読み」に関連しますが、第1問・第2問のイラストは、選択肢の違いから読み上げられる語句をある程度想像することができます。例えば、①机の上にりんごのイラスト ②机の下にりんごのイラスト の記載があれば、①an apple on the desk ②an apple under the desk などと予想できますね。このような問題のおすすめの解き方は、問題が読まれる前にイラストの違いに○をつけておくことです。聞き取れるチャンスが少ない問題ほど、音声が読み上げられる前の対策を十分にして、少しでも得点を取れるように準備しておきましょう。同じテクニックは第4問の表や第5問のレジュメでも活用できますよ。秋以降の勉強に迷ったらスタディカルテLabに相談を!いかがでしたか?秋以降の共通テスト対策で大切なのは、試験時間内に目標点を取るためにはどのような学習が必要か?を明確にすることです。勉強の優先順位づけなど、具体的な学習方法について学習プランナーに相談したい方は、LINEからご相談内容をご連絡ください。▶︎ 共通テスト【英語リーディング】攻略のポイントはこちら▶︎ 共通テスト【数学】攻略のポイントはこちらプロの添削が受けられる、「特別対策パック」で万全に!さらに現在、スタディカルテLabでは、共通テストに特化した全4回の「特別対策パック」の受講を受付中!(2022年12月末まで)共通テストの過去問や予想問題集について、ひとりひとりの答案を見ながらプロの視点で分析し、学習課題のあぶり出し、受験本番までの学習計画や勉強方法など、全4回で解説・アドバイスします。特別対策パックの詳細はこちらから。「新傾向の対策をしてもらいたい」「問題は解けるけど、スピードが足りなくて困っている」「過去問演習は進めているけど、この後どう分析して対策すればいいかが自分では分からない」……そんなあなたからの、スタディカルテLabへのご相談をお待ちしております。※ 共通テストだけでなく、志望校の過去問(赤本 / 青本)に特化しての指導も可能ですので、遠慮なくご相談ください。