本記事は、2021年11月28日に開催された朝中高ウインターミーティング2021にてスタディカルテLab代表の樋口が話した内容をまとめたものです。動画版はこちら→ https://www.youtube.com/watch?v=RnTlnxeiOT8&t=6s新学期が始まり1ヶ月が経ちましたね。新しい環境になり、心機一転して勉強を頑張ろうと思っている方も多いと思います。そんなときに必要となるのが「学習計画」。しかし、学習計画を立てたのに「計画を立てただけになってしまった」、あるいは「計画通りに勉強が進まず、予定がどんどんずれてしまった」など、うまく学習計画が進まなかった経験がある人は少なくないでしょう。学校や塾では「学習計画を立てることは大切」と言いつつも、「どのように計画を立てるか」まで説明されることはあまりありません。また、生徒側も普段から計画立てて勉強しておらず、学校の定期テスト前にだけちょっと計画を立てるくらい……という人が多いため、どうしても我流で何となく作った計画になりがち。学習計画を立てる上でどのようなポイントに注目すべきかわからないまま計画を立ててしまっているため、うまくいかなくて当然なのです。そこで、今回の記事では、受験勉強や定期テストの前で役に立つ「学習計画の立て方」について解説していきます。学習計画が立てられているという人も、そもそも学習計画とは?という人も、より良い計画づくりの参考にしてください!効果的な学習計画を立てるコツ効果的な学習計画を立てるためのコツは以下の3点。時間目標行動それぞれ、具体的にどのようにすべきなのかお伝えします。①時間まずは、教科別に目標時間を設定しましょう。次の4つのステップに分けて考えると、計画が立てやすくなります。《STEP1. 平日と休日の勉強時間を書き出す》平日何時間、休日何時間勉強しているかを書き出します。この際の注意点は、「勉強目標時間」ではなく、過去の実績から「実際に勉強している時間」を書くこと。ここで欲張ってしまうと後々計画がずれ込んでしまう原因になるため、継続して確保できる時間にしましょう。《STEP2. 1週間の目標勉強時間を算出する》1日あたりどれくらいの勉強時間があるかが分かったら、1週間の目標勉強時間を考えます。計算方法は「平日×5+休日×1」。つまり、休日1日分を「予備日」として最初から意図的に設定しておくのです。この予備日は、ずれてしまった勉強時間を調整するための時間です。単純に勉強計画がずれてしまうこともありますし、それ以外にも模試や体調を崩したりなど、様々なイレギュラーが発生します。それらを調整するための日を設定しておかないと、計画がずれ込む一方になってしまうからです。《STEP3. 1週間の勉強時間を教科ごとに配分 》1週間分の総勉強時間が分かったら、その勉強時間を教科ごとに配分します。具体的にどう分配するかは生徒によっても違いますが、大きく分けると「志望校が決まっているかどうか」で変わってきます。受験生で志望校の決まっている直前期の人は、志望校の配点比率を参考にします。例えば、奈良県立医科大学を志望校とする人の場合を考えてみましょう。奈良県立医科大学は、共通テストと二次試験を合計した各教科の比率が以下のようになっています。このように志望校の配点を見ていくと、各教科にどのくらい時間を配分をするべきなのかの方針が見えてきます。奈良県立医科大を受験する場合、上記のグラフを見ると、優先順位が高い科目は理科・数学・英語であることが分かります。国語や社会の優先順位は低くなりますね。教科合計配点に合わせて、英語・数学・理科に30%ずつ、国語と社会に5%ずつの勉強時間を配分することを考えてみましょう。例えば、1週間に合計16時間の勉強時間があるなら、英数理に各5時間、国語と社会には各30分という割り振りになりますね。極端に見えるかもしれませんが、高2の1月〜高3の6月頃までは、志望校に合わせてこのような感じで計画を立てるといいでしょう。入試まで6ヶ月を切った頃ぐらいからは、各教科の「目標得点」と「現時点」での得点の差を考えて、時間配分を調整すると良いでしょう。(実際に受験戦略を立てる上では、他にも、難しい問題を解けるようにならないといけないのかどうか、簡単な問題をミスなく確実に解くことが必要とされるのかどうか、具体的にどれくらい得点しないと合格できないのかなど、考えるべき要素はたくさんあります。)まだ志望校が明確になっていない場合は、進みたい学部によって、文系なら英国社or英国数、理系なら英数理に時間を優先的に割きましょう。《STEP4. 1ヶ月ごと、3ヶ月ごとの目標を立てる 》1週間に5時間分数学を勉強する時間が取れるなら、1ヶ月で20時間、3ヶ月で60時間の勉強ができることになります。この時間数を基に、具体的な目標を考えていきましょう。②目標勉強時間が分かったら、次は目標を立てます。ここでのよくあるミスが、「学習効果の低い目標を立ててしまう」こと。例えば、「入試基礎を完成させる」といった目標を立てたことはないでしょうか?確かに入試基礎は大事なのですが、これではいつまでたっても基礎が完成しないまま……ということがよくあります。その理由は、「目標が具体的でないから」です。学習目標を立てる時は、以下の3つのポイントを盛り込むようにしましょう。達成したかどうかの定量的な要素期日を設定する時間内で達成できる内容「何をクリアするのか」という具体的な数値と「いつまでにするのか」という期限を明確にし、確実に達成できるように「欲張らない」目標にするのです。例えば、「青チャートで、数ⅡBの数列・微積分の問題を70%以上自力で解けるようにする(締切:10月〜12月末の3ヶ月で)」といった目標が「学習効果の高い目標」です。第三者が見て達成したかできていないか、◯と✕が判断できるような指標を作るといいでしょう。③行動最後に、目標を達成する環境を整え、行動に移しましょう。計画を立てたものの、なかなか行動に移せないケースもよくありますが、それは目標を達成するための環境が整っていないことが原因かもしれません。環境を整えるためのコツも色々ありますが、今回は次の3つを紹介します。身近な人に目標を公言する(友達・塾の先生・親など)If thenルールを作る振り返りの時間を持つ1つ目は、友達や塾の先生などに目標を明言すること。自分の考えていることを発信するということが非常に大事です。人間、自分1人だけで頑張っていると、辛いときや気持ちが凹んだときなどに「ここまでやったんだからもういいかな」と目標を諦めてしまいがち。ですが、誰かに公言することで「宣言したからには目標を達成しなきゃ!」というモチベーションが働き、目標達成までのもうひと踏ん張りができるようになります。2つ目は、勉強を習慣化するために「もし、なにかがあった時はこういうことをする」というルール(If thenルール)を作ること。例えば、通学中の電車では単語帳を見る、お風呂上がりには30分だけ理系科目を復習する、など。もちろん無茶なルールを作ると結局守れなくなってしまうので、なるべく自然にできる、これだけは守るという簡単なルールにすることをおすすめします。3つ目は、目標の進捗度合いや勉強の時間割作成などの「振り返りの時間を持つ」こと。普段は目の前のことにばかり意識が向きがちになってしまうので、週に1度、予備日に振り返りや反省の時間を作りましょう。その週の勉強の達成状況を記録したり、足りない分の勉強を補ったりするための時間です。ただし、最初の目標時間の時点で無茶な設定になってしまっていると、予備日でもカバーしきれなくなってしまいます。「予定がどんどんずれていってしまう」という時は、たいてい時間設定の見立てが甘いことが原因です。その時は、計画自体をもう少し無理のないものに修正してみてください。学習計画を立て、志望校合格に近づこう学習計画を立てるときに気をつけるのは「時間」「目標」「行動」の3つ。自分の使える時間を知り、実現可能な具体的目標を立て、環境を整えて行動に移すことで学習効率がアップします。最初は計画を立てても「難しい」「うまく行かない」と感じてしまうことも多いかもしれませんが、まずは学習計画を立てて実行してみることが大切です。1教科だけなど、できるところから始めてみましょう!(今回紹介した方法に従って学習計画を立てたい人は、便利なワークシートがこちらからダウンロードできます→https://studykartelab.com/lp-wm2021穴埋め形式で取り組んでいただけますので、わかりやすく簡単に各教科の時間配分と目標設定ができますよ)LINE公式アカウントで学習相談をお受けしています!今回伝授した学習計画の立て方は「さわり」の部分です。スタディカルテLabでは、LINE公式アカウントで無料の個別学習相談をお受けしています。「現在使用している教材を、もっと上手に活用したい」「志望校の出題傾向や分析方法が知りたい」「学習計画を一緒に考えてほしい」など、これまでも多くの人が学習相談を活用し、それぞれの自学自習を効率化してきました。自分で学習計画を立てようとして迷ってしまった人も、プロのアドバイスが受けられるので安心して勉強を進められますよ。以下のQRコードからスタディカルテLabの公式LINEアカウントを友だち登録して、「学習相談がしたいです」とメッセージを送ってみてくださいね。スマートフォンの方はこちらからLINE登録へ→ https://line.me/R/ti/p/%40680gxjzz体験授業の申し込みなどもできるので、ぜひご登録ください!