本記事は、11/28に開催された朝中高ウインターミーティング2021にてスタディカルテLab代表の樋口が話した内容をまとめたものです。動画版はこちら→ https://www.youtube.com/watch?v=RnTlnxeiOT8&t=6s「志望校を2つの大学で迷っているんですけど、どっちを目指したらいいですか?」このような、「どちらの大学を第一志望にしたらよいのか」は塾ではよく聞かれる質問です。しかし、いきなり質問されてもどちらがいいかは答えられません。というのも、質問に答えるには、聞いてきた人のスタートラインの情報と、志望校分析の2つが必要だからです。今回の記事では、この「現状分析と志望校分析を通じて、どのように受験校を絞り込むべきか」について解説します。「受験校を決める」ということは「合格までの道のりが明らかになる」ということにも繋がります。自分にあった志望校を選んで、合格を掴みましょう!どうして志望校の絞り込みが大切なの?志望校の絞り込みが大切な理由は、「大学によって入試で求められる力が違う」から。難関大学ほど入試で求められる力は多種多様になるため、学校に合わせた受験戦略を取ることが必要になります。例えば、名古屋大に行きたいのであれば名古屋大に合わせた、奈良県立医科大に行きたいなら奈良県立医科大に合わせた学力が必要です。そこを意識しているといないのとでは、当然ながら勉強している間に差が出てきます。スタート地点はどこ?自分が到達したいゴールはどこ?どのゴールが一番近い?そのゴールに辿り着くまでに何をすればいい?という視点を持って、自分の現実的に行きたい大学を考えることが大切です。志望校の絞り込みはいつすべき?「志望校の絞り込み」をすべき時期は、ズバリ高校2年生〜高校3年生の「受験期」。おそらく、この頃にはある程度「行きたい大学」や「行きたい学部」などが決まっているはずです。いくつかある候補の大学の中から、実際に受験する大学1〜3校を決めることで、自分がどうやったら通いたい大学に合格できるのかを戦略的に考えられるようになります。中1〜高2は志望校の選択肢を広げよう志望校の絞り込みを受験期になってから行うためには、受験期以前、つまり中1〜高2の間に「志望校の選択肢を広げておく」必要があります。というのも、まずは大学について知っておかないと選択肢に上がることがないからです。どういうことを自分はやっていきたいのか大学を通じて何を学びたいのか何を大学でするのかどういった仕事をしたいのかということをこの時期に考え、どういう大学があるのか、どういう大学が自分に向いているのかを調べておきましょう。学校の進路指導やオープンキャンパスなどを活用すると、HPではわからない情報も手に入ります。日本国内にこだわらず、海外の大学に目を向けてみるのもアリです。中学生〜高校2年生の段階で「自分にはここは無理だから」という学力による絞り込み方をするのはあまりおすすめできません。まずは、学力は気にせず自分のやりたいことがどの大学でできるのかを考えてみましょう。Aさんの例では、実際にどのように志望校を絞り込めばいいのでしょうか。国公立の医学部医学科に行きたいと考えており「名古屋大学」と「奈良県立医科大」のどちらを第一志望にしようか迷っているAさんの相談例を基に考えてみましょう。スタート地点はどこかまず、現在のAさんの情報を把握しましょう。スタートラインの情報がないと志望校は選びづらくなるからです。Aさんの現在地は、以下のようになります。現在地を把握する上で重要なのは「模試の成績だけではわからない、得意や不得意」までしっかり洗い出すこと。「英語は、英作文は得意だけれどもリスニングは苦手」「数学は、計算は正確だけれども応用問題が苦手」といった、それぞれ偏差値や点数の数字だけで見えてこない部分まで分析しましょう。ゴール地点を分析しよう次に、ゴール地点である志望校の分析をします。Aさんが今迷っているのは、名古屋大学と奈良県立医科大の2つでしたね。《名古屋大学》こちらも、偏差値だけでなく問題内容の傾向まで見ておくことが重要になります。名古屋大学医学部医学科の特徴は、「国語が二次試験でも出題される」こと。英語・数学・理科の配点も非常に高くなり、この3教科で全体の80%を超えます。そのため、1つでも苦手科目があるとかなり厳しくなります。過去問を見て教科ごとの特徴も分析してみましょう。英語は会話文や自由英作文、意見の論述が出題され、その場で自分の意見を「こう私は考えています」とアウトプットできる学力が問われています。数学については、確率漸化式や微積分が頻出。時間は比較的じっくりかけれますが本格的な問題が多く、小手先のテクニックでは解けず、数学的センス、思考力、記述力が要求されています。国語は現代文しか出題されませんが、記述量が多く非常に難易度が高いのが特徴です。《奈良県立医科大学》単科医科大学といわれる国公立の医学部は非常に難しいところが多くなりますが、奈良県立医科大学は「トリアージによる奈良医大入試方式」という非常にユニークな入試形式を取り入れているのが特徴です。トリアージとは、限られた医療資源でより多くの命を救うため、大災害などで多くの負傷者が発生した際、どの負傷者から治療や搬送をすべきかという優先順位を決めること。つまり、非常に厳しい時間制限で、問題の中に簡単なものと難しいものが散らばっており、難しいものに手を出してしまうと合格ラインに届かなくなってしまうような構成になっているのです。限られた時間の中で簡単(とはいっても医学部レベルでの「簡単」ですが)な問題を素早く的確に見抜き、正確に点を取っていくかかが問われる試験方式です。教科において特徴的なのは、理科が1科目であることです。共通テストでは理科2科目が課されていますが、二次試験は理科1科目しかありません。また、名古屋大と比較して国語と社会の配点が低くなっています。Aさんと相性のいい大学は?スタートラインとゴール地点を分析した上で、Aさんと相性のいい大学を考えます。そうです、奈良県立医科大学のほうです。奈良県立医科大だと、二次試験の理科が1科目しかないため、苦手な化学を二次試験で使わずに生物で勝負することができます。また、国語の配点が低いですし、「計算が正確」という数学での強みも活かせます。もちろん、行きたい大学を選ぶことは大前提です。そのうえで、限られた時間で結果を出すことを考えると、このように「いかに現状のスタート地点からゴールに近いか」というポイントを考えることが大切になってきます。また、「やっぱり名古屋大に行きたい」と思ったときでも、現状分析と志望校分析をしっかり行えば「この差分をどう埋めるか」という戦略を立てられるようになります。志望校の絞り込み方志望校の絞り込み方は、まとめていうと以下のように行うことになります。①志望校の候補を大雑把にリストアップ(中学1年〜高校2年) 目安:3〜10大学②消去法で志望校を絞り込む(高校2〜3年生) 目安:1〜3大学志望校を絞り込む際には、「定量的」な情報だけでなく「定性的」な情報も必要になります。定量的な情報とは、合格最低点や偏差値、試験日程、など、数字で表されるもののこと。定性的な情報とは、「評論文が出題されやすい」「会話文が必ず出題される」「確率漸化式が頻出」「図示や論述が多い」などの数値化できないもののことです。自分の定性的な評価と、大学の定性的な評価とを見比べて、自分と志望校の相性を判断しましょう。定性的な情報を得るためには、問題を実際に解くのが一番ですが、過去問をパラパラと読むだけでもざっくりと見えてきます。解かなくても構わないので、候補に入れている大学に対しては、過去問を購入してどんな問題が出ているか目を通してみるといいでしょう。LINE公式アカウントで学習相談をお受けしています!今回紹介した「志望校の絞り方」に従って志望校を決めてみようと思っても、「自分の志望校の分析をしてみたけれども自信がない……」「分析したあと、実際にどうやって勉強を進めればいいのか分からない!」となってしまう人も多いはず。スタディカルテLabでは、LINE公式アカウントで学習相談をお受けすることが可能です。志望校やそのための勉強で迷ってしまった人も、プロのアドバイスが受けられるので安心して勉強を進められますよ。以下のQRコードからスタディカルテLabの公式LINEアカウントを友だち登録して、「学習相談がしたいです」とメッセージを送ってみてくださいね。スマートフォンの方はこちらからLINE登録へ→ https://line.me/R/ti/p/%40680gxjzz体験授業の申し込みなどもできるので、ぜひご登録ください!